平均後処理時間(ACW / After Call Work )とは?改善方法も含めて解説

コールセンターの業務を効率的に行うためには、平均後処理時間(ACW / After Call Work )を考慮することも必要です。ここでは、ACW の概要や、改善するための方法を解説します。

ACW とは

ACW とは顧客からの1回のコールにおいて、オペレーターが通話を終えた後の処理にかかった時間の平均です。顧客対応後の作業として、通話履歴を記録するなどがございますが、その他にもさまざまな業務を、通話の後に後処理としておこなうことがあります。どのような内容の業務が必要になるかについては、コールセンターにかけられてきた顧客からの相談の内容により異なります。相談の内容によっては、他の部署に連絡が必要なこともあり、こうした連絡にかかる時間も後処理時間に含まれます。これらの全ての業務に必要となる時間を平均が ACW です。

ATT、AHT との違い

ACW と混同しがちな用語に平均通話時間(ATT / 平均通話時間)平均処理時間(AHT / Average Handle Time)があります。ATT はオペレーターが顧客との通話の接続時間の平均です。ATT と ACW の和が、AHT になるという関係性です。

AHT を改善するためには、ATT だけでなく、ACW も改善する必要があります。実際にコールセンターを運営している多くの企業では、AHT を改善するために ACW の短縮に取り組んでいます。ATT の長さは顧客の影響を大きく受けますが、ACW は顧客から大きな影響を受けずに、オペレーター側でコントロールできる範囲であるため、ATT を比べても ACW は企業が改善に取り組みやすい指標です。

ACW の一般的な平均値

ACW の一般的な平均は5-6分になるケースが多いです。また、ACW の目標値を決めるためには、それぞれの業務をおこなうのに必要となる時間を計算することも必要なため、通話記録を入力する業務が後処理として必要な場合には、平均的にどれくらいの時間がかかるのか、あらかじめ調べておいた方が良いでしょう。他部署への連絡や協力が必要な場合には、それらの時間も考慮して目標数値を決める必要があります。

ACW の目標数値を短くするほど、達成することが困難になるので、達成しやすい目標数値を決めて、少しずつ業務のスピードを改善するのが望ましいでしょう。

ACW が長くなる原因

ACW が長くなる原因はさまざまなものが考えられます。それぞれの原因について、以下で詳しく見ていきましょう。

通話の入力内容が複雑

ACW はさまざまな原因により長くなることがあります。ACW が長くなる原因として多いのは、通話記録の入力に時間がかかることです。通話内容を記録するために通常よりも多くの時間が必要になるのは、通話の内容が複雑な場合です。複雑な内容の通話を正確に入力するためには慎重に作業をする必要があるため、通常よりも多くの時間がかかります。入力しなければいけない項目の数によっても、入力にかかる時間が長くなることがあります。1回のコールでオペレーターが多くの項目を入力しなければいけない場合などは、全てのオペレーターの作業時間が平均的に長くなるので、ACW も長くなることが多いです。

自部門以外へのエスカレーション

他の部署に連絡をしなければいけないコールが増えた時にも、ACWは長くなります。連絡を入れるだけでなく、他の部署と協力して何らかの作業(エスカレーション)を行わなければいけない場合には、ACW はさらに長くなります。

ACW を改善させる方法と注意点

ACW を改善させる方法と改善を考える上での注意点を解説します。

作業スピードを向上させる

通話の内容を入力する速度が遅いことが、ACW が長い原因になっている場合には、入力を迅速にできるようにするためのトレーニングを行うことで、ACW を改善できる場合があります。通話内容を入力する時間を短縮すれば、より多くの顧客のコールに対応できるようにもなります。ただし、この方法で ACW を改善する時に注意しなければいけないことは、オペレーターに入力を素早くおこなうことを強制しすぎないことです。素早く通話内容を記録することだけを意識していると、記録の内容を間違えて入力する危険性も高くなります。記録の内容が間違っていると、顧客とのトラブルの原因になることもあるので、入力の素早さだけを重視しないようにすることが必要です。オペレーターが正確に入力できることを前提にして、できる限りスピーディーに入力をできるような取り組みをするのが最善の方法です。

作業内容の改善

ACW を改善するためには、オペレーターの努力だけでは不十分な場合もあります。会話の内容を入力する作業は、人によって能力に差があるので、入力しなければいけない項目が多い場合には、それらの項目を全て入力する必要があるのか、もう一度見直してみる必要があります。不要だと考えられる項目が見つかれば、それを削除することでACWの短縮が可能です。

業務の流れを改善

業務の流れを再検討することで、ACW を改善できる場合もあります。他の部署に連絡をしなければいけないことが多いので、ACW が長くなっている場合にも、こうした方法を活用できます。他の部署に連絡が必要なコールが多くなるほど、ACW にかかる時間は長くなりますが、他の部署に連絡をする方法や、連絡を必要とするケースを再検討することにより、連絡に使用する時間を短縮できます。また、他の部署へのエスカレーションが必要な業務が多くなるほど、ACW にかかる時間は長くなるため、オペレーターが1人で問い合わせ対応を完結させるため、コブラウズなどのシステムを導入するのも方法です。

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