平均応答速度(ASA / Average Speed of Answer)とは? 遅くなる原因と改善方法も含めて解説

平均応答速度(ASA / Average Speed of Answer)はサポートのスピードや品質を評価できる指標です。ここでは、ASA の意味や目標値を含めて解説します。

ASA とは

ASA とは、顧客から電話を受け付けてから最初の応対するまでの時間の平均です。ASA を算出することで、オペレーターのサポート開始までのスピードや品質を評価することができます。ASA はオペレーターの業務効率を測定するためにも利用されます。効率的なオペレーターは迅速な対応ができるとともに、問題の解決にも力を入れます。このため、オペレーターの業務効率を改善するためには、ASA の最適化が不可欠です。また、ASA はオペレーターのサービス品質と満足度にも大きな影響を与えます。顧客は迅速な対応を期待しますので、ASA が低いと顧客の不満や不信感が生じます。一方で、ASA が高いと顧客の信頼関係が強まり、顧客の満足度も高まります。したがって、ASA は顧客との長期的な関係を構築する上でも重要な指標となります。

ASA の計算方法

ASA の計算方法は次のとおりです。全ての要求に対する応答時間を計算し、その平均値を算出します。例えば、5件の要求に対する応答時間がそれぞれ 10秒、16秒、14秒、23秒、18秒である場合、ASA は(10+16+14+23+18)÷5=16.2秒になります。

このように、ASA はサービスの迅速な対応力を数値的に測定することができます。この指標はサービスの質の最大化に向けた参考になるとともに、顧客満足度の向上に寄与することもできます。

ASA の一般的な目標数値

ASA の目標数値は業界や業態、顧客の要望などにより異なりますが、一般的には20秒以内で設定されるケースが多いです。しかし、応答速度だけでなく、応答の品質の方も重要な指標となりますので、両方をバランス良く向上させていくことが重要です。

ASA が遅くなる原因

ASA が遅くなる原因はさまざまですが、主な原因は次に挙げるようなものです。

オペレーターが不足している

顧客からの問い合わせ数に対して応対できるオペレーターが少ない場合、すぐに電話に出ることができず、顧客を待たせてしまいます。また、問い合わせが増える時間帯については、局所的にオペレーターが不足するケースもあるため、入電予測を鑑みた上で、オペレーターの採用やシフトコントロールが必要になります。

チャネルによる影響

顧客からの要求のチャネルによって、ASA が変わることがあります。例えば、メールやチャットなどのオンラインチャネルでは、ASA が速い傾向にありますが、電話などのオフラインチャネルでは、ASA が遅い傾向にあります。このような影響を考慮し、サポートチームが提供するサポートのチャネルを見直すことが大切です。適切なチャネルを活用することで、応答速度が改善されることが期待できます。

ACW(After Call Work / 平均後処理時間)が長い

サポートチームのワークロードが多すぎる場合、電話対応以外の作業にリソースを取られるため、応答速度が遅くなることがあります。この場合、電話対応以外のオペレーターの作業を見直すことが大切です。オペレーターのワークロードの調整によって、応答速度が改善されることが期待できます。

ASA を改善させる方法と注意点

要求のトラッキングと記録

トラッキングや記録によって改善させるには、正確な記録方法を採用することが重要です。これによって、要求に対する応答時間の推移やトレンドを明確にすることができ、改善ポイントを明確にすることができます。正確な記録には、要求のタイミング、応答時間、要求のタイプなどを記録することが含まれます。これらの情報は、後で分析することで、顧客サービスの質を改善するためのアクションを決定することができます。

オペレーターへのトレーニング

トレーニングの側面から改善させる方法としては、オペレーターが迅速かつ正確に応答することを支援することが重要です。このためには、顧客サービスのベストプラクティス、コミュニケーションスキル、タイムマネジメントなどを含むトレーニングを提供することが重要です。スタッフがこれらのスキルを習得することで、応答時間を短縮し、顧客満足度を向上させることができます。

システムの活用

近年、自動応答システムやチュートリアルなどのテクノロジーが普及しています。これらのシステムを採用することで、顧客サービスの質を向上させると同時に、スタッフの負担も軽減することができます。これらのシステムは、一般的な質問に対する迅速な回答を提供することで、顧客が望む情報をすばやく得られるようになります。このことによって、応答時間が短縮され、顧客満足度が向上することが期待されます。

ASA を改善させる際の注意点

記録の正確性

ASAを正確に計算するためには、要求と応答のタイミング、応答時間、要求のタイプなどを正確に記録することが不可欠です。記録が誤っている場合、ASAの数値も誤っている可能性があります。

目標達成のための調整

ASA の目標が達成できない場合は、再度 ASA の計算方法や目標を見直すことが必要です。また、問題点を特定し、それに対する解決策を講じることで、ASA の目標を達成することができます。

応答品質の保証

応答速度を改善するためには、応答品質が劣化することもあります。このような場合、応答品質を維持しながら、応答速度の改善を図ることが必要です。また、応答品質の向上に努めることで、顧客満足度の向上も期待できます。

ASA が改善されない場合にやるべきこと

前段落に挙げた改善方法でASA(平均応答速度)を計算し、結果が目標の数値に達しない場合は、さらに以下の2つの方法を行うことで改善を期待できます。

要求の優先順位付け

顧客からの要求に対して、優先順位を付けて処理することは、ASAの改善に寄与する重要な要素です。重要な要求を優先することで、より早く回答することができるようになります。このことによって、顧客の望み通りにサービスを提供することができ、顧客満足度が向上することが期待されます。

チーム構成の調整

顧客サービスのエフェクティブな運用には、チーム構成にも大きな影響を与えます。例えば、チームのサイズや組織構造が正常なものであれば、応答時間も向上することが期待されます。また、スタッフのスキルや負担状況なども応答時間に影響する要因です。これらを適切に調整することで、ASAを改善することができます。

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