エフォートレス体験とは?重要性や実現するための方法を解説
オペレーターの生産性や効率性を測る指標のひとつが占有率です。今回は、占有率の概要や計算方法、目安について詳しく解説します。
占有率とは、オペレーターの勤務時間とオペレーターが顧客対応をしている時間との割合です。占有率は、コールセンターにおけるパフォーマンスの評価指標のひとつです。占有率が高ければ高いほど、そのコールセンターは経営的に効率的で生産的である、といえます。ただし、現実には100%の占有率を維持することは不可能です。また、占有率が高すぎるということは、オペレーターに過剰な負荷を与えている、ということでもあります。そのため、マネージャーはただ高ければよいというのではなく、適切なバランスをとることが大切です。
占有率の計算方法は、以下の通りです。
占有率(%)=(通話時間+保留時間+後処理時価)÷(通話時間+保留時間+後処理時間+受付可能時間)×100
たとえば、オペレーターの勤務時間が1時間で、そのうち45分間を通話や後処理に費やしたとしましょう。その場合「45分÷60分×100」なので、占有率は75%です。もしも同じく45分間を通話や後処理に費やし、勤務時間が2時間だったとしましょう。その場合、「45分÷120分×100」なので、占有率は37.5%です。つまり、受付可能時間が長くなればなるほど占有率は下がる、ということです。
一般的に、占有率の目安は76~87%だといわれています。そのため、80%前後を目標にするとよいでしょう。
占有率とよく似た言葉に稼働率があります。両者は混同されやすいので、しっかりと理解することが大切です。占有率は勤務時間内において顧客対応に当たっていた時間を示す指標です。一方、稼働率は給与時間内において勤務対応状態にあった時間を示します。稼働率の計算式は、以下の通りです。
稼働率(%)=(通話時間+保留時間+後処理時間+受付可能時間)÷給与時間×100
コールセンターの国際的品質保証規格(COPC CX)では、稼働率の指標値を86%としています。日本でもこの規格に準じ、目標値を80~85%に設定しているコールセンターが多いです。
重要なポイントは、稼働率は給与時間における稼働状況を知ることはできるものの、稼働時間中にオペレーターがどれだけ効率的に勤務していたかは分からない、ということです。そのため、オペレーターの勤務状態を知るためには、占有率と稼働率の両方を考慮して分析する必要があります。
それでは、実際に占有率と稼働率とはどのような関係にあるのでしょうか。以下、詳しく解説します。
占有率が高い一方で稼働率が低い場合は、オペレーターの顧客対応時間は多いものの、非生産時間である研修やトイレ休憩の時間も多すぎる可能性があります。そこで、稼働率を高めるためにスケジュール調整などで非生産時間を減らし、その分を顧客対応の時間に回す必要があるでしょう。
占有率が低いということは、オペレーターが顧客と通話している時間が少なく、待機している時間が長い、ということを示しています。それにもかかわらず稼働率が高いということは、業務が効率的でなかったり、オペレーターが顧客対応以外の業務に手間取っていたりする可能性が考えられます。占有率を高めるには、業務の効率化やオペレーターのスキルアップなどが効果的です。
占有率と稼働率のどちらも高すぎる場合には、オペレーターに過剰な負荷を与えてしまっている可能性について考慮するべきです。このような状態が続くと、顧客対応の質が下がってしまったり、オペレーターが疲労困憊して離職してしまったりする危険性があります。占有率や稼働率は、ただ高ければよいというわけではありません。オペレーターのスキルアップ、業務の効率化、人員を増やして負担を低減する、などの対策をとる必要があるでしょう。
占有率と稼働率のどちらも低い状態は、オペレーターの稼働時間が少なく、顧客対応に費やしている時間も少ないことを示しています。生産性を高めるために、オペレーターの配置やシフトの見直し、人員の整理などが必要になるでしょう。
最後に、占有率を適切に保つには具体的にどうすればよいのか、主な方法をいくつか詳しく解説します。
オペレーターのスケジュール調整を適切に行うことで、顧客の需要とオペレーターの労働時間を調整できます。適切なスケジュール調整は占有率を適切なレベルに保つことにつながる重要な改善策のひとつです。
コールセンターでは多くの場合、顧客は待機キューに入れられます。そのため、キューの長さや待ち時間を適切に管理することが大切です。キューが長すぎると、顧客は待ちくたびれて電話を切ってしまうかもしれないからです。そうすると、必然的に占有率は下がってしまいます。
顧客の問い合わせ内容や重要度に応じて、最適なオペレーターにコールをルーティングするようにしましょう。そうすることにより、オペレーターの専門知識を最大限に活用し、顧客満足度を高めることができます。
オペレーターがトレーニングやコーチングを通じて、効果的なコミュニケーションスキルや問題解決能力を身につけられるようにしましょう。オペレーターの能力が向上すれば、より迅速かつ正確な問題解決が実現できます。そうすることで、占有率を低下させることなく効率的な顧客対応が可能になります。
自社内での問題解決が難しい場合には、外部のシステムやサービスを導入するのもひとつの方法です。たとえば、ウェブサイト上に表示される案内に沿って顧客に操作してもらうチュートリアルや、顧客が閲覧するウェブサイトをリアルタイムに確認しながらサポートすることができるコブラウズを導入すれば、業務の効率化やオペレーターの負荷低減などが期待できます。
サービスの詳細な説明をご希望の方はお問い合わせください
お問い合わせ