ウェルビーイング実現の最前線へ!住友生命が語る、人の力とテクノロジーを融合したサポート体制とは

「社会公共の福祉に貢献する」ことを創業以来不変の存在意義(パーパス)とし、生命保険という事業を通じてお客さまの人生を支え、お客さま・社会に貢献する住友生命保険相互会社。

ウェルビーイング価値提供顧客数2,000万人を目指す中で、マイページの操作に関するお問い合わせが増えていた同社では、2025年1月よりコブラウズソリューション Withdesk Browse(ウィズデスクブラウズ)を導入している。

Withdesk Browse を導入した背景にあった課題や導入までのプロセス、そして導入後の効果について、お客さまサービス部の K.O. 氏、同部コールセンター企画室の D.K. 氏、同部お客さま案内サービス室の M.T. 氏、R.E. 氏にお話を伺った。

お客さま一人ひとりのウェルビーイングの実現に向けて

「社会公共の福祉に貢献する」。このパーパスのもと、住友生命「Vitality」を核として、ウェルビーイング(一人ひとりのよりよく生きる)の実現に貢献してきた。

「コールセンターを統括するお客さまサービス部が、お客さまの問い合わせ窓口の最前線を担っています。お客さまの満足だけでなく、お客さま一人ひとりがよりよく生きられるようウェルビーイングの価値を提供することを目指しています。

それに際して、デジタルが活用できるところは可能な限り効率化し、人にしかできないことを人が担うという方針のもと、人とデジタルの融合を目指しています」(K.O. 氏)

同社では、生命保険の契約者に限らず、各種サービスの利用者も含めて「ウェルビーイング価値提供顧客」と定義。その数は現在約1,100万人にのぼる。2030年にはこの数を2,000万人にまで拡大し、豊かで明るい健康長寿社会の実現を目指している。

一人ひとりに最適なサービスを届けるために

お客さまサービス部では、コールセンターをお客さまの体験価値を左右する重要な接点と捉え、単に正確な応対を行うだけでなく、お客さま一人ひとりの背景や状況に寄り添うことを大切にしている。

この姿勢を実現するため、同部では KPI として応答率90%以上の維持を目標としつつ、メールアンケートによる顧客満足度の把握・改善にも力を入れている。また、センター全体の応対品質向上のため、オペレーターの声を積極的に吸い上げ、業務改善にも反映しているという。

近年は、コールセンターに寄せられる問い合わせの内容も変化している。特に、Web 上での手続きが可能なスミセイダイレクトサービスの普及に伴い、利用者が自ら操作を進める機会が増えたことで、システムに関する問い合わせの比重が高まってきた。

「お客さまご自身でお手続きいただける項目が増えてきていますが、利用者数の増加に比例してマイページの操作に関する問い合わせが増加しておりました」(K.O. 氏)

とりわけ、スマートフォン経由で手続きを行う方が多い中で、入力ミスや操作ミスといったつまずきが問い合わせの要因となるケースも多く、オペレーター側も状況の把握に時間を要する場面が増えていた。

そうした背景のもと、利便性を保ちながらも安心感のあるカスタマーサービスの実現を目指し、Web 領域におけるサポート体制の強化が急務となっていた。

オペレーターの切実な課題から生まれた、最適なソリューション選定

お客さまサービス部では、すでに別の画面共有ソリューションを導入していたものの、機能的な制約のもと、実運用の中でお客さまをサポートする上での課題が明らかになっていた。

そうした中、社内の別部署からの紹介を受け、Withdesk Browse を検討した。

「既存の画面共有ソリューションでは、スマートフォンをご利用のお客さまにリアルタイムで画面共有ができず、オペレーター側からの遠隔操作もできませんでした。Withdesk Browse ならそれらが可能になると知り、導入を前向きに検討し始めました」(D.K. 氏)

とりわけ深刻だったのは、スマートフォンへの対応だ。同社のコールセンターに寄せられる問い合わせのうち、約8割がスマートフォンからの問い合わせであり、PC での操作を前提とした対応では、お客さまが求めるスムーズな手続きの支援が困難であった。実際に、1時間かけて案内を続けても、手続きが完了しないケースもあったという。

こうした現場の切実な声を背景に、お客さまとオペレーター双方の負担をどれだけ軽減できるかを軸に、ツール選定を進めていった。

「画面共有時に、事前にアプリのインストールが不要であったり、スマートフォンのお客さまにリアルタイムで画面共有を行う機能は必須でした。それ以外にもオペレーターによる遠隔操作ができることや、パスワード項目をマスキングできることも重視した点です」(D.K. 氏)

結果として、Withdesk Browse は、お客さまの使いやすさとオペレーターの課題解決を両立できるソリューションとして高く評価され、導入が決定。既存の画面共有ソリューションでは実現できなかったサポート体験への第一歩を踏み出すこととなった。

既存体制を活かしたスムーズな導入と現場定着の舞台裏

Withdesk Browse の導入にあたっては、既存の画面共有ソリューションで構築していた運用体制を活かしつつ、新たなツールへのスムーズな移行を実現。2024年3月から検討を開始し、同年7月に導入を決定、2025年1月には本稼働するという、検討を開始してから約9か月でのスピード導入となった。

「既存のソリューションでの運用体制をそのまま引き継いだため、大きな混乱はありませんでした。操作説明も、オペレーターへのレクチャーのみで済みました」(D.K. 氏)

この間、ウィズデスク社によるオンボーディング支援も受け、オペレーターへの操作説明や質疑応答を通じて社内への浸透を促進した。

「ツール自体が直感的に使える設計のため、社内マニュアルは一応整備しましたが、実際にはあまり活用される場面もなく、自然と現場に定着していきました」(D.K. 氏)

現場では、よりスムーズな案内を実現するため、実務に即した工夫がいくつも取り入れられている。たとえば、画面共有の案内時には「お客さまの画面を一緒に見守りながらお手続きできますので」といった安心感を与える表現を活用し、ご高齢のお客さまにも配慮した対応を心がけている。

「メールアドレスの入力に戸惑うお客さまが多いので、お客さまが画面共有の準備をしている際に社内データから登録済みのメールアドレスを取得し、あらかじめコピーして準備しておくなど、先回りしたサポートを行っています」(M.T. 氏)

「ご高齢のお客さまは、スマートフォンでの通話と Web 操作を同時に進めるのが難しいイメージがありましたが、音声をスピーカー等に切り替えていただくようにご案内したところ、問題なく画面共有サポートを行うことができました」(R.E. 氏)

こうした現場の細やかな工夫と支援体制により、Withdesk Browse は短期間でスムーズに定着。お客さまとオペレーター双方のストレスを軽減するツールとして、着実に現場に根付いている。

画面共有によって、お客さま対応に手応えと変化が生まれた

Withdesk Browse の活用が進む中で、すでに現場では複数の成果が実感されている。なかでも、お客さまの画面をリアルタイムで確認しながら案内できることによる業務の効率化と、コミュニケーションの質の向上は大きな効果を生んでいる。

「お客さまがどの画面でつまずいているのかをその場で把握できるため、エラー内容の共有等、画面の進行状況に応じた説明ができるようになりました。結果として案内がスムーズになり、お客さまにも安心していただけています」(R.E. 氏)

「遠隔操作でお客さまの登録済みのメールアドレスをこちらで代行入力できる点は、現場でも特に助かっている機能です」(M.T. 氏)

導入後には印象的なエピソードもあった。あるとき、ログインに困っていたお客さまの画面を共有したことで、メールアドレスの表記ミスに気づき、即座に代行入力のサポートをしたところ、ログインまで導くことができたという。

「30代の方から『変更済みの新しい ID とパスワードでログインできない』というお問い合わせがありました。ご自身でメールアドレスを変更されたばかりとのことでしたが、画面共有しても目視ではどこが誤りなのか判別できませんでした。

そこで、こちらであらかじめ半角に整えたメールアドレスを入力したところ、無事にログインできました。必要に応じて遠隔操作を用いたサポートを行わないと解決できない問い合わせがあると改めて実感しました」(M.T. 氏)

また、マイページを活用した給付金手続きが浸透したことで、郵送対応の削減や送金までのリードタイムが大幅に短縮。加えて、お客さまからの感謝の声が届く機会も増え、現場のモチベーション向上にもつながっている。

Withdesk Browse は、単なる業務支援ツールにとどまらず、お客さまとの信頼関係を築く新たな手段として、日々のお客さま対応に確かな手応えをもたらしている。

人とデジタルの融合を、次のステージへ

2030年にはウェルビーイング価値提供顧客数を2,000万人まで広げ、健康で豊かな社会の実現を目指す。

Withdesk Browse の活用は、そうした中長期のビジョンにおいても重要な位置づけを担っている。

今後は、さらに活用シーンを広げながら、より多くのお客さまにとってわかりやすく、ストレスの少ないサポート体験の実現が期待されている。

「現在はマイページ内の一部に対象画面を絞っていますが、今後はもっと幅広い画面での利用に取り組みたいと考えています。対象範囲を広げることで、さらに多くのお客さまにご活用いただけるはずです。
本サービスが有効に活用できるケースを研究・創出し、継続的に活用できる運用体制を構築することで、より一層お客さまに満足していただけるような先進的なコールセンターを目指して参ります」(K.O. 氏)

同様の課題を抱える企業に向けて、Withdesk Browse の導入価値をこう語る。

「お客さまご自身で商品やサービスを申し込むネット完結が当たり前になる中で、問い合わせ対応も進化が求められます。その中で、画面共有を通じてお客さまの状況を正確に把握し、的確にサポートできる体制は、もはや特別ではなく標準になっていくと感じています。Withdesk Browse はそのスタンダードな装備となるのではないでしょうか」(K.O. 氏)

人の力とテクノロジーの融合が求められる時代。Withdesk Browse は、その実現を支えるインフラとして、住友生命のカスタマーサービスにおける今後の進化を力強く後押ししていく。

 ※掲載内容は取材当時のものです。

関連する記事

導入をご検討中の
お客さまへ

サービスの詳細な説明をご希望の方はお問い合わせください

お問い合わせ
Withdesk 導入事例をまとめて確認したい方へ