入力不備が激減し、ローンの申し込み手続き完了率が最大6ポイント向上!北洋銀行の手続きを迷わせない仕組みとは

「お客さま本位を徹底し、多様な課題の解決に取り組み、北海道の明日をきりひらく」を経営理念に掲げる株式会社北洋銀行。

お客さまによる非対面での各種手続きが主流となる中、同行では無担保ローンの受付から契約までの完全非対面化を実現すべく、Web 受付システムを刷新した。しかし、Web 受付システムの運用開始後、ローンの申し込み件数の3割を超えるお客さまに入力不備や問い合わせが発生し、カスタマーサポートの負担が増加。

お客さまの利便性が高まった一方で、同行では受付対応の効率化と手続き途中での離脱防止という新たな課題も明らかになった。こうした状況を受け、同行はチュートリアルソリューション Withdesk Automate を導入している。

今回は、導入の背景やプロセス、導入後の効果について、ローン統括部ローンコンタクトセンターのセンター長を務める D.Y. 氏にお話を伺った。

地域に根ざし、お客さま本位の融資をデジタルで支える

1917年に設立された北洋銀行は、札幌市に本店を構え、北海道内を中心に約170の店舗を展開する地域密着型の金融機関である。

個人・法人を問わず幅広いお客さまに金融サービスを提供してきた。なかでもローン統括部  ローンコンタクトセンターでは、教育や自動車など生活資金を支える無担保ローンの受付から契約までを一貫して担っている。

同行では2023年12月、無担保ローンの受付から契約までをすべて非対面化し、お客さまが一度も来店することなく手続きを完了できる仕組みを整えた。以前からお客さまによる Web 申し込みは行っていたものの、審査後の契約手続きは店頭で実施しており、完全非対面化は同行として初の取り組みだった。

そうした中で、同センターが重視したのはお客さま本位の対応を、非対面手続きでも実現することであった。お客さまと対面でお会いすることができない分、Web 上での操作を迷わせず、スムーズに受付から契約、実行まで案内できる仕組みを整えることを最優先に考えている。

「私たちは完全非対面で業務を行っています。お客さまと対面することがないからこそ、お客さまを迷わせずに、受付から契約手続き、ローン実行までをスムーズにご案内すること。それが最も重要だと考えています」(D.Y. 氏)

完全非対面化の実現。その裏で浮かび上がった現場の負担

無担保ローンの完全非対面化に向けて、同行では Web 受付システムを刷新した。ところが運用開始後、ローンの申し込み件数のうち3割を超えるお客さまに入力不備や問い合わせが発生し、新しい仕組みへの移行に伴い、従来にはなかった課題が明らかになった。

「Web 受付システムを新しくしたことでお客さまの利便性は高まりましたが、申し込みの入力不備が想定以上に多く発生しました。全体の3割以上が何らかの入力不備があり、手続きが止まってしまうケースが多く出てしまったのです。

入力不備があるお客さまには、弊行の担当者が電話で確認して補正を行うため、受付対応に時間がかかっていました」(D.Y. 氏)

また、Web 操作に関する問い合わせも目立ち、お客さまから「ログインができない」「何を入力すれば良いのか分からない」といった質問が多く寄せられていた。

「特に本人確認資料のアップロードに不慣れなお客さまが多く、操作の途中で離脱してしまうケースも一定数発生していました」(D.Y. 氏)

こうした状況から、受付対応の効率化と手続きの離脱防止が大きな課題として浮き彫りになり、お客さまが迷わず完了まで進める仕組みを整えるために Withdesk Automate の導入が検討された。

既存の申し込みページを活かしながら、手続き時の迷いを防ぐ方法を検討

Web 受付システムの刷新によってお客さまの利便性が高まれば、ローンの申し込みページに流入したお客さまは問題なく手続き完了まで進められると想定していた。しかし、実際には、お客さまの入力の迷いによる離脱や手続き完了率の伸び悩みが発生し、解決策を模索。以前に提案を受けていたウィズデスク社へ相談した。

「申し込みページに流入してきたらお客さまは離脱しないだろうと思っていましたが、運用してみると違いました。その中でも入力の途中で迷われる方が一定数いるため、手続き途中で離脱する箇所に対して、ポップアップで適切に案内できれば改善できるのではと考えました」(D.Y. 氏)

検討段階では、EFO ツールと比較し、何をどこまで変えるべきか、誰がどのくらい手早く運用できるかを評価の軸に置いた。

「検討していた EFO ツールは、既存の申し込みフォームにお面を被せるような形で、画面全体のレイアウトや導線を変更するタイプのものでした。

しかし、Web 受付システムのフォームは自分たちで改善できるため、そこまでの機能は求めていませんでした。

むしろ、各手続きでお客さまが間違いやすい箇所を重点的に案内できるほうが効果的と考え、Withdesk Automate が目的に合っていると判断しました」(D.Y. 氏)

また、費用とメンテナンスのしやすさも大きな決め手となった。

「検討していた EFO ツールは修正のたびにベンダーへの発注が必要で、費用と時間がかかります。Withdesk Automate は自前で対応できるので、気づきをすぐ反映できます。費用面でも運用面でも、当行の体制に合っていると判断しました」(D.Y. 氏)

こうした観点でメリット・デメリットを整理し、部内協議を経て、検討開始から約3か月で導入を決定した。

支援と工夫で、現場に根付いた運用体制

導入から運用開始まではおよそ2か月。準備期間としては短期間ながら、スムーズに立ち上げることができた。

「契約後は、ウィズデスク社のサポートの速さと正確さに大変助けられました。

Web 受付システムの刷新後は、頻繁に申し込みページの修正を行っており、そのたびにチュートリアルの修正が必要となっていました。ウィズデスク社に相談すると、短時間で修正方法を教えていただけるなど、非常にスピーディーかつ的確に対応していただけました」(D.Y. 氏)

導入後は、現場の課題に合わせたチュートリアルを順次追加。特に、契約同意の際の条件説明や、年収入力欄の案内では効果的な工夫を施した。

「契約同意時の条件について、お客さまからの問い合わせが多かったので、吹き出しで詳細な説明を表示するチュートリアルを作りました。

また、年収入力欄ではお客さまに収入源を選択させ、選択内容に応じて、次の入力箇所に自動でスクロールする流れにしたところ、お客さまの入力不備が大きく減りました」(D.Y. 氏)

こうした工夫の積み重ねにより、Withdesk Automate は単なる入力補助ツールにとどまらず、現場のアイデアを即時に反映できる改善の土台として定着していった。

補正対応時間は約10%短縮。手続き完了率も4〜6ポイント向上

Withdesk Automate の導入によって、まず顕著に表れたのが入力不備の減少である。

従来、Web 受付システムでは画面に注意文言を表示していたものの、お客さまに十分伝わらず、間違えた内容で手続きを進めてしまうケースが多く発生していた。入力不備がある場合は担当者が電話で連絡し、内容確認や補正を経て審査に回す必要があったが、お客さまと連絡がつかずに時間を要することもあった。

「以前は、補正が完了するまで2〜3日かかるケースも珍しくありませんでした。

Withdesk Automate を導入してからは、補足の説明が必要なタイミングで注意事項を案内できるようになり、入力不備が減少しました。結果として、補正対応にかかる時間は10%以上短縮しています。これは非常に大きな効果でした」(D.Y. 氏)

補正対応に費やす時間が減ったことで、担当者が1日に処理できる件数が増加。審査への引き渡しスピードも上がり、受付から審査完了までの全体プロセスがより滑らかになった。さらに、審査完了後のお客さま対応にも時間をかけられるようになり、接点の質そのものが向上した。

こうした丁寧な対応の積み重ねが、お客さまとの関係性にも良い影響をもたらしている。アンケートの中では「次回も北洋銀行で手続きをしたい」という声も寄せられるようになった。

「もちろん、すべてがこの取り組みの直接的な結果とは言い切れませんが、お客さまから『安心して手続きを進められた』という言葉をいただけるようになったのは確かです」(D.Y. 氏)

そしてもう一つ、大きな成果として挙げられるのが手続き完了率の改善である。申し込みページから審査に進む一連の流れにおいて、手続き完了率は4〜6ポイント向上。導入前に課題となっていた手続き途中での離脱が減少し、目標値を大きく上回る成果が得られた。

「手続き途中で迷われる方に、その場で的確な案内を出せるようになりました。

その結果、手続きの途中で止まらない流れができ、問題なく審査まで進むお客さまが確実に増えたと感じています。数値だけでなく、運用している側の感覚としても明らかな変化がありました」(D.Y. 氏)

このように、業務効率とお客さま体験の両面で着実な成果を実現し、入力不備の対応に追われる体制から脱却し、最後まで安心して進められる体験とその後も続く信頼関係の両立を実現している。

お客さま本位の体験を、デジタルの力でさらに磨く

補正対応時間の短縮や入力完了率の向上といった成果を経て、同行では、より分かりやすくスムーズな融資体験を提供できるよう、今後も改善を重ねていく考えだ。

また、行内の他部署でも同様の課題が生じた際には、今回の取り組みを共有し、Withdesk Automate のような仕組みを活用して改善を進めることも視野に入れている。

最後に、Withdesk Automate の導入を検討している企業へのコメントとして、D.Y. 氏は次のように語った。

「リソースが限られている企業にとっては、非常に相性が良いと思います。チュートリアルの作成や修正をする際、ウィズデスク社が伴走しながら具体的な提案も含め、支援してくれるので安心です。自社の課題に寄り添ってもらいながら改善を進めたい企業にとって、ウィズデスク社はとても心強いパートナーになると思います」(D.Y. 氏)

Withdesk Automate は、単なる入力支援ツールにとどまらず、お客さま本位の体験をどう実現するかを共に考える仕組みとして、北洋銀行の現場に根付いている。

※掲載内容は取材当時のものです。

関連する記事

導入をご検討中の
お客さまへ

サービスの詳細な説明をご希望の方はお問い合わせください

お問い合わせ
Withdesk 導入事例をまとめて確認したい方へ