お客さまサービスの向上に向けたソリューションの導入で、対応時間を半分以下に短縮!メディケア生命保険が取り組んだ DX 推進プロジェクトとは
幅広い事業を展開する京阪グループの中で、百貨店事業を展開する株式会社京阪百貨店。ギフト需要を受け、スタートした同社の「京阪百貨店オンラインショッピング」では、コロナ禍を機に注文数と比例して問い合わせ数が急増。ウェブ操作にお困りのお客さまのサポートを目的にコブラウズソリューション「Withdesk Browse(ウィズデスク ブラウズ)」の導入を決定した。
Withdesk Browse を導入した背景にあった課題や導入プロセス、そして導入後の効果について、営業本部 営業政策部の部長代理を務める M. O. 氏、営業本部として守口店の催事部 運営担当の K. M. 氏、営業本部 営業政策部で営業企画担当 兼 EC プラットフォーム事業部のマネージャーである R. O. 氏にお話を伺った。
お中元やお歳暮、季節の贈り物といった贈答品や、バイヤーが仕入れた精肉のネット量り売りなどを取り扱う、京阪百貨店の公式通販サイト「京阪百貨店オンラインショッピング」。2015年よりスタートした同社の EC サイトの特徴について、EC サイト運営の責任者を務める M. O. 氏に伺った。
「京阪百貨店は旗艦店である大阪・守口店をはじめ、地域密着型の百貨店としてお客さまにご愛顧いただいており、オンラインショッピングのお客さまも、その地域在住の方であることが特徴です。『いつもは店頭で注文しているが、ギフト用品はオンラインで注文する』といったニーズでご利用いただくことが多い印象です。
また、お客さまの大半がシニア層であることも特徴で、70代でもまだまだ若く、80代後半の方からご利用いただくことも珍しいことではありません」(M. O. 氏)
お客さまからの問い合わせ内容も、店舗で相談いただくような内容と似た傾向にあるという。商品についての問い合わせが最も多く、次いで注文方法や支払い方法、注文ができているかの確認といった内容になっている。お客さまが使用するデバイスの割合はスマートフォンと PC で半々であることも特徴だ。
「京阪百貨店オンラインショッピング」では、実店舗での買い物の延長としてご利用いただくことが多いため、お問い合わせの対応には、売り場で接客担当をしている社員が兼業している。守口店催事部の K. M. 氏に、お客さま対応における課題について伺った。
「1件あたりのお客さま対応時間が長くなりがちであることに課題を感じていました。特に注文方法が分からない、といったお問い合わせの場合、電話だけでは1時間を超えてしまうことも珍しくありません。
ウェブ操作に慣れていないシニア層の方からのお問い合わせの場合、『ブラウザ』の意味をご存知でなかったり、そもそも『京阪百貨店オンラインショッピング』のサイトへのアクセス方法からのご相談であったりと、お電話で説明するだけでも大変でした。また、お客さまが開いている画面を特定できたとしても、そこから正しくお客さまのお悩みを解決するまでには、さらに時間がかかってしまっていたのです。
もう1つの課題として、お客さま対応と受注処理の業務を兼務しているため、お客さま対応中は受注処理がストップしていました。そのため、注文数が増えるお中元やお歳暮の繁忙期は、日中にお客さま対応の時間を取られてしまい、受注処理のために残業が発生することも多々ありました」(K. M. 氏)
そんな『京阪百貨店オンラインショッピング』のお客さま対応について改善が検討され始めたのは、新型コロナウイルスの感染拡大で実店舗を休業せざるを得なくなったことがきっかけだ。これまでギフト用品の注文が中心だったが、日用品や食品の注文数が一気に増え、コロナ禍以前と比べると3倍近くの注文数になるほど、利用者が増えたという。
注文数の増加とともに、お客さまからの問い合わせ件数も急増したため、ツールの導入を検討し始めることになった。
大阪で開催された展示会にて、「オンライン接客ツール」をキーワードにツールの選定と情報収集が進められた。当初は接客担当者の顔が見えたほうが、実店舗の接客に近いと考え、オンライン会議のようにお互いの顔が見える接客ツールを検討していたという。顔が見える「オンライン接客ツール」と、画面共有ができるコブラウズソリューションの Withdesk Browse の比較検討はどのように進められたのだろうか。
「お互いの顔が見える接客ツールの場合、お客さまのインターネット回線の速度が速くないとタイムラグが発生してしまうこと、お客さまに求める操作が複雑になってしまうことがデメリットでした。
また、ツールを実際に操作する現場担当者の声を聞いた結果、顔が見えるとお客さまが見た目に気を遣ってしまい、円滑にご案内できないのではという懸念の声が出てきたのです。
そこでよりシンプルにお客さまをご案内するため、お客さまの閲覧しているウェブページのみ共有される Withdesk Browse を採用しました」(M. O. 氏)
コロナ禍で注文数と問い合わせ件数が急増していたことから、Withdesk Browse の導入は急ピッチで進められ、比較検討から2か月後に正式リリースとなった。ウェブサイトへのタグの埋め込みは M. O. 氏が直接行っており、ほぼ社内リソースのみで初期設定を進めることができた。また、実際にお客さまへのご案内を担当する催事部の K. M. 氏が、社内へのツール利用の浸透を担当した。
「オンラインショッピングでお客さま対応を担当する社員は、売り場での通常業務も担っているため、一度に集まってツールの説明会をすることはできませんでした。そのため、担当者に個別で Withdesk Browse の扱い方を説明しました。
個別の説明会では、まず注文フローを再確認することを徹底し、その上で Withdesk Browse をご案内する流れを共有しました。その際、マニュアルを作成することも検討したのですが、Withdesk Browse のシステムはとてもシンプルで感覚的に操作できるため、マニュアルは不要と判断しました。
繁忙期には、臨時に採用したスタッフにもお客さま対応を任せることがありますが、 Withdesk Browse の操作の習得まで30分もかかっていません」(K. M. 氏)
オンラインショッピング上のコンテンツの制作だけでなく、自身でお客さま対応を行うこともある R. O. 氏に、現場からのご感想とお客さまへご案内する際の工夫をお伺いした。
「お客さま対応時に使用している PC のデスクトップに Withdesk Browse のショートカットを設置しており、画面共有の同意が得られた後に6桁の番号を発行します。お客さまにその番号を電話でお伝えし、ご入力いただくと画面共有が始まる、というシンプルな流れが高評価です。
お客さまへのご案内時に工夫しているポイントとして、まず画面共有が成功しているかを確認する作業があります。実際にこちらのポインターを動かして見せることで、画面共有ができているか確認するようにしているのです。
また、専門用語をなるべく使わないようにすることも工夫の1つです。カタカナや横文字をできる限り使用せず、どんな年代の方でも理解できる表現を心がけています。例えば、『カーソル』は『黒い矢印』と伝えたり、『スクロール』は『画面を下げてください』と表現しています」(R. O. 氏)
コロナ禍で急増した「京阪百貨店オンラインショッピング」に対する問い合わせ対応の業務を効率化し、対応時間を短縮する目的で導入された Withdesk Browse。取り組み全体を振り返り、同社のお客さま対応にはどのような変化があったのだろうか。引き続き K. M. 氏にお話を伺った。
「Withdesk Browse を活用することによって、お客さまがどの画面を見ており、どの項目の入力に困っているかをすぐ理解できるようになったことで、お客さまのご案内時間は大幅に短縮されました。
以前は1時間以上かかっていたようなお問い合わせは、30分以内で解決できるようになり、そもそも解決できなかったお問い合わせの9割は、解決まで導けるようになったのです。
また、以前に画面共有でご案内したお客さまからお問い合わせをいただいた際に、『前回と同じく画面共有でお願いしたい』とご要望いただくこともあります。これも実店舗と同じく、オンラインショッピングでもお得意さまになっていただいたということだと思います」(K. M. 氏)
同社では、個人情報やクレジットカード番号といった入力項目にマスキングを設定していることも特徴の1つだ。お客さまにご案内する際も、口頭でマスキング設定のことは伝えているため、お客さまには安心してクレジットカード情報を入力いただいているという。
新型コロナウイルスの感染拡大による長期休業が明けても、京阪百貨店ではオンラインショッピングからの注文数は増加傾向にあるという。ネットショッピングが浸透した現在、京阪百貨店は今後も「京阪百貨店オンラインショッピング」でのオンライン接客に注力していく予定だと、M. O. 氏は話す。
「正直なところ、弊社はまだまだ保守的な企業体質であり、他社と比べてもデジタル化が遅れていると思います。そんな弊社であっても、Withdesk Browse はシンプルなツールで導入コストも安価なため、弊社の状況にぴったりなツールでした。
オンラインも実店舗も、お客さまへの接客の姿勢は変わりません。より忠実に、より丁寧に、より分かりやすく、という接客姿勢を今後も貫いていくつもりです。そのためにもオンラインでの接客には、Withdesk Browse をこれからもしっかり活用していきたいと考えています」(M. O. 氏)
※掲載内容は取材当時のものです。
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