お客さまの自己解決が定着!京阪百貨店が取り組んだチュートリアル活用による EC リニューアル

「すがたも心もきれいな百貨店」をブランドメッセージに掲げ、地域とともに歩む株式会社京阪百貨店。

守口市に本店を構える京阪百貨店は、郊外型百貨店として暮らしに寄り添った商品とサービスを提供し、地域密着型の百貨店として地元の信頼を築いている。

お中元などのギフト向けに EC サイトを展開していたが、2024年に大規模リニューアルを実施。これに伴って、Web 操作に不慣れなお客さまからの問い合わせ数を抑えるためにチュートリアルソリューション Withdesk Automate を導入した。

Withdesk Automate を導入した背景にあった課題や導入までのプロセス、そして導入後の効果について、営業本部 営業政策部で営業企画担当 兼  EC プラットフォーム事業部のマネージャーである A.F. 氏、R.O. 氏、営業本部として守口店の催事部 運営担当の K.M. 氏にお話を伺った。

地域密着の強みを EC にも。「食」を軸に進化する京阪百貨店の挑戦

1985年に守口市で創業し、開業40周年を迎えた京阪百貨店。「すがたも心もきれいな百貨店」というブランドメッセージのもと、郊外型百貨店として地域密着の営業を続けている。

「弊社は、生鮮食品の売場に力を入れておりまして、肉・野菜・魚といった生鮮品を社員が仕入れ、販売しています。これは創業当時から変わらない地域密着型の方針です」(A.F. 氏)

EC サイトも、こうした地域密着という方針を受け継いで運営されている。EC サイトの開設は2015年。立ち上げ当初は店舗での購買が主流で、EC の利用はお中元などのギフトが中心であったが、2020年のコロナ禍を契機に状況が一変した。

「2020年のお中元シーズンでは、コロナ禍で店舗営業が制限される中、EC サイトでの注文が殺到しました。夏・冬と続くギフトシーズンで、売上は例年の数倍に跳ね上がりました」(A.F. 氏)

これを受けて2024年には EC サイトの大規模なリニューアルを実施。食品に強みを持つ地域密着型の EC サイトとして、日常の中に自然に溶け込む存在を目指している。

大規模リニューアルに向けて、お客さまの利便性向上を追求

「2015年の EC サイト立ち上げ以来、大きな改修を行わないまま運用を続けてきましたが、画面が見づらい・操作が分かりにくいといったご意見をお客さまからいただくようになりました。特に、スマートフォンでのサイト閲覧時の見にくさや、商品画像の小ささ、説明の分かりにくさなどが大きな課題でした」(A.F. 氏)

また、Web 操作に不慣れなお客さまからの電話問い合わせも多く、カスタマーサービス部門の負担となっていた。

「お電話で『今どこを押せばいいの?』と聞かれることが多いのですが、お客さまがどの画面を見ているのか分からないため、ご案内に時間がかかってしまっていました。特にお中元やお歳暮の時期は、電話対応と受注処理が重なり、現場が非常に忙しくなっていました」(K.M. 氏)

こうした課題を受け、京阪百貨店では2024年4月に EC サイトを大規模にリニューアル。見た目や機能の刷新に加え、業務効率化も含めた抜本的な改修を行った。

しかし、利便性向上を図る一方で、会員登録をせずに商品を購入することができるゲスト購入を廃止して会員登録を必須にするといった仕様変更もあり、Web 操作に不慣れなお客さまの離脱や、問い合わせ増加への懸念もあった。

そこでリニューアルに先立ち、自社のサポート担当を介さずにお客さまを適切にサポートできる仕組みの導入が検討された。その際、注目されたのが、ユーザーの Web 操作に応じて必要な箇所に操作ガイドを表示できる Withdesk Automate の存在だった。

よくある問い合わせを減らし、お客さまの自己解決を促す

もともと京阪百貨店では、コブラウズソリューション Withdesk Browse をすでに導入し、お問い合わせの対応品質向上に取り組んでいた。

「Withdesk Browse による画面共有を使えるようになってからは、案内の時間も大幅に短縮され、お客さまにもより分かりやすくご説明できるようになりました」(K.M. 氏)

「しかし、同じ内容のご質問も多く、同じご案内を繰り返すことで、お客さまのお時間をいただくだけでなく、現場の負担も大きくなっていました」(A.F. 氏)

そうした中で、次なる支援手段としてウィズデスク社から提案されたのが、チュートリアルソリューション Withdesk Automate だった。

「EC サイト内に説明文を入れたり、補足的な文章を追加したりということは、やろうと思えばできます。しかし、そうした説明を書き加えることで、かえって画面が煩雑になってしまったり、必要ないお客さまにとっては無駄な情報になってしまったりする可能性もあります。そのため、Withdesk Automate のように必要なときに、必要な情報だけを表示できる仕組みは非常に有効だと感じました」(A.F. 氏)

また、導入のタイミングが EC サイトの大規模リニューアルと重なっていたこともあり、社内の合意形成もスムーズに進んだ。

「同様の課題を抱える他の百貨店で Withdesk Automate の導入実績があり、ノウハウもお持ちだったので、それも安心材料になりました。お客さまの利便性を高めるということを第一に考えていたので、それに合致するツールだと感じました」(R.O. 氏)

こうして、Withdesk Automate は EC サイトのリニューアルと同じタイミングで導入されることとなった。

現場の声をかたちに。手厚いサポートが支えた導入と改善

Withdesk Automate の導入は、非常にスムーズに進んだ。

「最初の設定の際には、当社が考えていた操作ガイドのイメージをまとめ、ウィズデスク社との打ち合わせを通して、チュートリアルを設定していきました。カスタマーサクセス担当の方が丁寧に教えてくださったので、当社で設定に苦労した記憶はほとんどありません」(R.O. 氏)

運用開始後も、現場で寄せられるお客さまの声や担当者の気づきをもとに、チュートリアルの内容は随時アップデートされている。

「お中元やお歳暮の時期になるとお客さまからの問い合わせが増えます。特に会員登録や熨斗(のし)の設定、商品の配送先の設定などの問い合わせが多く、そうした内容を現場で相談した上で、ウィズデスク社にご相談しています。チュートリアルの設定に関する相談に対して丁寧にご提案いただけるので、ご提案いただいた内容を参考にし、チュートリアルを更新しています」(R.O. 氏)

こうした運用体制により、導入後も実際の利用状況に即した改善を重ねながら、より使いやすいチュートリアルを構築している。

自己解決の定着で問い合わせが減り、現場もお客さまもスムーズに

Withdesk Automate は、2024年2月から設定作業を開始し、同年4月に行われた EC サイトの大規模リニューアルとほぼ同時に運用をスタートした。リニューアル直後は、サイトに多くのお客さまが訪れるタイミングでもあり、操作に戸惑って離脱してしまうリスクを避けるため、導入時期を重ねたという。

導入後は、お客さまからの問い合わせ件数や対応にかかる時間に変化が見られ、現場では確かな手応えを感じている。

「以前より EC サイトでの注文が難しいというお電話は明らかに減っており、自己完結できているお客さまが増えている印象です」(K.M. 氏)

問い合わせ件数や1件あたりの対応時間が減少したことで、現場の業務全体にも良い影響が表れている。

「お問い合わせ窓口を担当しながら、受注処理も並行して行っています。以前は、お問い合わせ対応に時間を取られると、その分、受注処理が遅れてしまう状況でした。今は、問い合わせ件数も対応時間も減っており、業務がスムーズに流れるようになりました。結果として、残業時間も半分以下に減っています」(K.M. 氏)

カスタマーサポートの負荷軽減だけでなく、顧客体験の向上という面でも効果は感じられている。

「リニューアル前は、EC サイトの使い勝手についてご意見をいただくこともありましたが、現在はそうした声はほとんど聞かれません。Withdesk Automate の果たした役割は大きいと感じています」(A.F. 氏)

使いやすいからこそ、改善が続く仕組み

Withdesk Automate の導入により、京阪百貨店ではお客さまの自己解決を促進し、現場の業務負荷を軽減する成果を上げてきた。今後はさらに、使いやすさを重視した継続的な改善に取り組んでいく方針だ。

社内で業務に携わっていると、つい視野が内向きになり、お客さまにはどう見えているのかという視点を見失いがちだという。そうした背景もあり、今後もウィズデスク社の客観的な視点を活かした提案も踏まえながら、お客さま目線での改善を模索していきたいと考えている。

また、導入を検討している企業に向けては、使いやすさと改善のしやすさを評価する声が寄せられた。

「一番大きいのは、チュートリアルのメンテナンスのしやすさです。文言を少し変えたいときもすぐに対応できるので、お客さまの声を素早く反映できるのが助かっています」(K.M. 氏)

「特別な知識が必要ない点もありがたかったですね。HTML のような専門的な知識がなくても、問題なく設定できました」(R.O. 氏)

京阪百貨店の取り組みは、チュートリアルを通じてお客さまのつまずきを事前に解消し、問い合わせを未然に防ぐことで、EC サイトの使いやすさを静かに、しかし確実に高めている。

派手さはないが、だからこそ自然に使われ、気づかぬうちに快適な体験へと導く。そんな見えない価値が、同社の EC サイトの中に息づいている。

※掲載内容は取材当時のものです。

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