お客さまとの画面共有でお問い合わせ対応時間が半分以下になり、売上向上にも貢献!福屋が注力するオンライン接客とは
多様化するお客さまのニーズにフィットする生命保険会社を目指し、住友生命のグループ企業として2010年に誕生したメディケア生命保険株式会社。4年前の2020年5月末と比べ、現在は2倍以上の契約件数まで増加するなど、急成長を続ける生命保険会社だ。
右肩上がりに増加する契約件数に比例し、コールセンターに寄せられる問い合わせ件数も増加。特にマイページの操作方法に関する問い合わせについては、お客さまがどこの画面を操作しているのかわからず、ご案内に時間がかかってしまっていたという。この課題を解決するために導入されたのが、コブラウズソリューション Withdesk Browse だった。 Withdesk Browse を導入した背景にあった課題や導入までのプロセス、そして導入後の効果について、お客さまサービス部の副長 T. F. 氏、同じくお客さまサービス部の主任 S. S. 氏、そしてDX 戦略部の主任 M. O. 氏にお話を伺った。
「お客さまにとって保険を身近なものとする」という経営ビジョンを掲げ、医療保険を中心に死亡保険やがん治療保険などの商品ラインナップを拡大し、お客さまにとって最適な商品、サービスの提供に努めているメディケア生命保険株式会社。
2020年2月には新たなスローガンとして「もっと!フィット!」を掲げ、インターネット保険サイトや保険ショップ、通信販売などを通じ、「自分で保険を選びたい」と考えるお客さまのニーズを満たすため、機動的な商品の提供や保障分野の拡大、そしてコールセンターの増員・育成といった体制強化に取り組んでいる。
同社のコールセンター業務について、お客さまサービス部の副長を務める T. F. 氏にお話を伺った。
「おかげさまで近年、急激にご契約件数が増加しており、先月末(2024年5月末)には、ご契約件数が190万件を突破しました。ご契約件数と比例してお客さまからのお問い合わせ件数も増加する中で、コールセンターではお客さま満足度の向上に努めており、HDI 格付けベンチマークでは弊社のコールセンターが『クオリティ格付け(センター評価)』で最高評価である三つ星を7年連続で受賞しています」(T. F. 氏)
T. F. 氏と S. S. 氏が管掌するお客さまサービス部では、60名超のコミュニケーターと18名のスーパーバイザーが在籍しており、主に保険商品を契約されているお客さま向けのコールセンター業務を担っている。各種保険に加入いただいたお客さまの契約内容の変更や、入院・手術といった保険金の請求などの問い合わせに対して主に電話で対応しているとのことだ。
「お問い合わせをいただくお客さまにとって、保険商品は普段の生活ではあまり意識しないものであり、お電話をいただく際は給付金のご請求などお困りの場合が多いです。だからこそ、ご案内をする際はお客さまに分かりやすく、親切かつ丁寧な対応を心がけています。
定量的な指標としては、部署全体の応答率90%以上を KPI として掲げています。この KPI を達成するため、ご案内中だけでなくご案内後にお客さまがマイページを問題なく操作できるよう、よくある質問の回答集を用意するといった工夫をしており、今回の Withdesk Browse の導入もそうした取り組みの一環です」(T. F. 氏)
同社が画面共有や遠隔操作を可能とするコブラウズソリューションの導入を検討し始めたきっかけが、新型コロナウイルスの感染拡大だったという。多くの生命保険会社と同じく、同社でも給付金の請求件数が増加し、コロナ前は17万件ほどだった入電件数が、コロナ禍は38万件に急増した。その結果、電話がつながりにくい状況が続いていたと、T. F. 氏は当時の状況と課題を振り返る。
「給付金請求は、紙とマイページ(ウェブ)による2通りの請求方法がありますが、業務がひっ迫していたコロナ禍では、より迅速にお手続きが進むようマイページから請求いただくようご案内していました。その結果、マイページに関する操作方法等の問い合わせが増加することになりました。
また、そうしたマイページの操作方法に関するご案内には、お客さまがご覧になっている画面がわからず、1件あたり30分から1時間ほど対応に時間がかかっていました。そのため、よりスムーズにマイページの操作方法をお客さまにご案内できるソリューションを必要としていたのです」(T. F. 氏)
マイページの操作方法のご案内が長くなっていた背景には、お客さまの多くがスマートフォンを使用していたことが挙げられるという。お客さまサービス部の主任として、日々コミュニケーターとやり取りをしている S. S. 氏に現場が感じていた課題を伺った。
「操作方法に関するご相談で一番多かったのが、マイページにログインできないということでした。一見すると正しいメールアドレスやパスワードを入力できているように見えても、スマートフォン画面をよくよく確認すると全角のところを半角で入力されていたり、スペースが入ってしまっていて、ログインできないことがありました。口頭でのやり取りでは、そうした点にすぐに気づくことができず、お客さまをお待たせしてしまうこともあったのです。
また、マイページをブラウザで開きつつ、スマートフォンのスピーカー機能でコミュニケーターと会話しつつ、SMS による二段階認証を開いたりと、スマートフォン上に複数のアプリを起動して操作しなければならないことも、お客さまの状況を確認しながらご案内するには、どうしても時間がかかってしまう要因のひとつでした」(S. S. 氏)
お客さまサービス部が抱えていた課題に対して、DX による課題解決を進めたのが、同社の DX 戦略部だ。今回、Withdesk Browse の導入を担当いただいた主任の M. O. 氏にお伺いした。
「ウィズデスク社の担当の方からご提案いただいたことで、初めて画面を共有しながら、ウェブ操作のご案内できるコブラウズソリューションを知りました。初回のご提案からしばらく経ったころ、お客さまサービス部の方々から入電件数の急増とマイページ操作のご案内についての相談があり、画面共有や遠隔操作ができるソリューションの導入を検討しました」(M. O. 氏)
コブラウズソリューションの検討にあたっては、3社のツールで比較検討された。比較検討時のポイントは、お客さまの利便性向上、コールセンターの業務効率化がポイントだったという。比較検討の結果、Withdesk Browse の導入を決定した理由について、引き続き M. O. 氏にお話しいただいた。
「Withdesk Browse は、お客さまの操作が最も簡単でした。画面共有を始めるお客さまは、画面共有用のアイコンをクリックし、コミュニケーターから伝えられた6桁の番号を入力するだけで画面共有を開始できます。アプリやソフトウェアのダウンロードが不要なことは、お客さまにセキュリティ面でもご安心いただけます。また、簡便な操作はコミュニケーターにとっても重要で、サービスがスムーズになりお客さまに合わせた適切なサポート方法を提供できるので、お客さまの利便性も向上します。
業務効率化については、お客さまがどの画面をどのように操作されているのかリアルタイムに確認できることにより、これまでの半分近くまで対応時間を短くすることができました。コミュニケーターの受電件数が増加し、導入にかかる費用の面においても効果に見合っていることを確認しました」(M. O. 氏)
同社ではセキュリティ基準の確認、社内決裁を経て、スピード感をもって Withdesk Browse の導入が進められた。
Withdesk Browse を導入して3か月後にはお客さまへ画面共有サポートのご案内がスタート。マイページに、Withdesk のサービスタグを設置し、画面共有を開始するボタンを表示した。より分かりやすくお客さまにご案内するため、デザイン上でさまざまな工夫を施していると M. O. 氏は話す。
「アイコンの色は弊社のイメージであるオレンジに揃えており、アイコン下部には『画面共有』と記載しています。分かりやすいボタンにすることで、画面共有サポートを希望されるお客さまにも見つけやすい・わかりやすい表示としました。
また、アイコンクリック後に表示されるモーダルの文言には、画面共有ができる仕組みであり、コミュニケーターに『画面共有を希望する』と電話で伝えると利用できること、その際に個人情報はマスキングされていること、そしてコールセンターにつながる電話番号を記載しています」(M. O. 氏)
コミュニケーターには、Withdesk Browse の操作方法を一斉にレクチャーするのではなく、まずはベテランでお客さま対応スキルの高いコミュニケーターに限定して運用をスタートしている。これによってリリースまでの時間を短縮することができ、コールセンター全体に展開する前にノウハウを蓄積することができたと、コミュニケーターへの展開を担当した S. S. 氏が話す。
「すでに社内には画面共有ご案内時のモデルケースを作れており、全体への展開はスムーズでした。また、Withdesk Browse の操作方法はとてもシンプルで分かりやすかったため、マニュアルもほとんど必要ありません。
お客さまへのご案内時の工夫としては、画面共有を始める前にお困りの内容や現在開いているページを事前に確認し、大まかなご案内の流れをイメージしてから画面共有をご案内するようにしています。これはできる限りスムーズに画面共有と操作方法のご案内をするための工夫です」(S. S. 氏)
現在、Withdesk Browse を活用した画面共有のご案内は月平均で30件ほどとのこと。繁忙期やキャンペーン時は問い合わせ件数が大きく増えるため、Withdesk Browse によるご案内も比例して増えるという。Withdesk Browse 導入後、お客さまサービス部では、どのような成果が得られているのだろうか。
「コミュニケーターや私たちの体感値ですが、これまで30分から1時間近くかかっていた対応時間が半分以下に短縮されています。解決までの時間が短くなっただけでなく、お客さまから『ここをクリックすればよかったんですね!」と喜んでいただけたり、無事に給付金請求の手続きが完了したご高齢のお客さまから感謝のお言葉をいただけたり、コミュニケーター側も嬉しい気持ちになるご案内が増えました」(S. S. 氏)
株式会社 JD パワージャパンが実施した「2024年生命保険契約満足度調査」では、保険代理店部門にて17社中第1位を同社が受賞するといった追い風もあり、近年急激にご契約件数が増加しているという。4年前と比べても2倍以上のご契約件数となっており、契約件数の増加傾向は今後も続いていきそうだ。
「お客さまの多様なニーズにもっとフィットできるよう、そしてお客さまの利便性がもっと向上するよう、ボイスボットやチャットボットなどのデジタル技術を今後も活用していきたいと考えています。こうした DX は、DX 戦略部と二人三脚で進めていきたいですね。
また、デジタル技術の導入が進む中で、コールセンターのコミュニケーターによる人ならではの親切で、丁寧な対応がより一層重要になります。Withdesk Browse 導入のような新しい挑戦を続けていき、しっかり PDCA を回していきながらコールセンター業務に向き合っていきます」(T. F. 氏)
取材の最後に、今回の取り組みを総括した評価について、T. F. 氏に伺った。
「複数社の比較検討を行ないましたが、お客さまとの画面共有の簡便さでは Withdesk Browse がダントツでした。費用面はとてもリーズナブルでしたし、改めて導入してよかったと思います。マイページでのお手続きが増加している昨今、弊社にとっての Withdesk Browse はインフラのような存在と言っても過言ではありません」(T. F. 氏)
※掲載内容は取材当時のものです。
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