お客さまサービスの向上に向けたソリューションの導入で、対応時間を半分以下に短縮!メディケア生命保険が取り組んだ DX 推進プロジェクトとは
「Oisix」「らでぃっしゅぼーや」「大地を守る会」といった食品のサブスクリプションサービスを提供するオイシックス・ラ・大地株式会社。2023年3月には4万人を超える会員を抱える宅配サービス「大地を守る会」では、ウェブ操作に不慣れなお客さまへのご案内を効率化すべく、コブラウズソリューション「Withdesk Browse(ウィズデスク ブラウズ)」の導入を決定した。
Withdesk Browse を導入した背景にあった課題や導入プロセス、そして導入後の効果について、業務本部 カスタマーサポート部 大地を守る会サポートセクションの T. M. 氏、K. I. 氏にお話を伺った。
「弊社が手掛けているいくつかの宅配サービスのなかでも、『大地を守る会』は有機野菜や自然食品など、安心でおいしい食材や雑貨の販売に力を入れているため、食の安全性を重視しているお客さまの割合が高いです。そのため、食材に関するお問い合わせをいただくことが多く『お客さまが何に対して、どのような思いや不安を抱かれているか』『どのようにサポートすれば安心してサービスを継続いただけるか』を常に考えながらカスタマーサポートに向きあっています。
また、社内で最もお客さまとの接点が多い部署として、お客さまの声やご要望を社内へ伝える役割も担っています」(T. M. 氏)
お客さまからのお問い合わせは電話とメールを中心に受け付けており、問い合わせの内容としては食材に関するものに加え、会員情報の変更や注文方法など、ウェブサイトの操作方法に関する相談が特に多くなっているそうだ。オイシックス・ラ・大地が手掛ける他の宅配サービス「Oisix」「らでぃっしゅぼーや」と比べ、「大地を守る会」はお客さまの平均年齢が高く、インターネット自体に苦手意識を持っている方も少なくない。以前はオフラインのイベント経由のお申し込みもあり、さらに紙のカタログからでも注文ができることも、ウェブサイトの操作に不慣れなお客さまが多くなっている要因だという。
ウェブサイトの操作に関する問い合わせに対して、ほぼすべてのケースで電話にてサポートを行っていると T. M. 氏は話す。ただ、なかなか電話による口頭のコミュニケーションだけでは、課題解決に時間がかかり過ぎてしまうという悩みがあった。
「弊社ウェブサイトの構造上、多くのお客さまのお手を煩わせてしまっていることが大変心苦しいです。そして、大地を守る会サポートセンターの現場でも、いくつかの課題を抱えていました。
お客さまへのご案内でオペレーターが特に苦労していたのは、オペレーターがお伝えした操作方法を、お客さまが正しく実践できているか確認することでした。ゆっくりと、何度もご説明していても解決できず、解決できたとしても1回の対応時間が長くなっていました。最終的にはお客さまから見放されてしまい、『操作が分からないので利用をやめます』との厳しいお言葉をいただくこともあったのです」(T. M. 氏)
特にお客さまをご案内する難易度が高いウェブ操作が、以下の3つだ。
・商品の注文
・会員情報の登録、ログイン
・クレジットカードの登録
これらの操作をご案内する場合、平均して30分程度、お客さまによっては1時間かかるケースもあったという。また、ウェブ操作の案内に慣れているスタッフでないとさらに時間がかかってしまう場合もあり、ウェブ操作の案内が属人化していたことも課題だった。
「こうした課題に対して、前任者がいくつかのサービスを検討し、Withdesk Browse の導入を決定しました」(T. M. 氏)
大地を守る会サポートセンターの現場に Withdesk Browse を導入する際、独自のマニュアルは作成せず、オペレーター同士がロールプレイングで実際のご案内の流れを確認したという。導入当時の状況について、K. I. 氏に振り返っていただいた。
「お客さまに画面共有ボタンを押していただき、オペレーターから伝える番号を入力いただくだけで、画面共有を開始でき、お客さまの操作している画面を一緒に見ながら、ご案内できるようになるというシンプルさに驚きました。現場のオペレーターの間でも『操作が難しい』という言葉を聞いたことはなく、新しく入社した社員でも感覚的に Withdesk Browse を操作、ご案内できています。
トークスクリプトについても、Withdesk Browse 専用の文面は作成していません。各オペレーターが画面共有したほうが解決しやすいと判断した場合、『今から○○さまが見ている画面を拝見し、ご案内したいのですが、今お時間ありますでしょうか』といったご案内をしています。
ご案内時のコツとして、お客さまにより分かりやすくするため、少しオーバー気味にカーソルを動かしてクリックすべき箇所などを示しています。
また、メールでウェブサイトの操作方法に関するお問い合わせいただいた際には、メールの文面に『お電話で画面共有しながらご説明することも可能です』とお伝えしています」(K. I. 氏)
「現在、Withdesk Browse を活用してご案内するケースは1日2,3件ほどで、毎月50件前後となっています。特に新規入会キャンペーンを展開している時期は、ウェブサイトの操作に関する問い合わせの頻度が高くなりますが、問題なくスムーズにご案内できています。
以前の課題で感じていた通り、商品の注文や会員情報の登録、ログイン、クレジットカードの登録などの場面でご案内することが多く、1件あたりのご案内に30分かかっていたところ、現在では5分程度で解決までご案内できるようになっています。実際に画面共有をしてみると、メールアドレスが1文字だけ間違えているといった些細なミスでエラーになっている場合が多く、課題の特定と解決にかかる時間が格段に短くなっています。
そして、1件あたりの対応時間が短くなったことで、オペレーター1人あたりの対応件数を増やすことができました」(T. M. 氏)
お客さまの対応時間削減という成果に加え、現場のオペレーターやご案内したお客さまからも Withdesk Browse を高く評価する声が上がっているという。実際にお客さまへ Withdesk Browse をご案内したことがある K. I. 氏に現場からの感想を伺った。
「特に印象に残っているのが、1日に2度ご案内したお客さまから『さっきの画面共有をもう1回お願いできますか?』と言われたことです。画面共有に対して抵抗感はなく、むしろ便利なものはどんどん案内してほしいのがお客さまの本音なのだと思います。オペレーター側も、最初は新しいご案内方法を覚えることに抵抗があったようですが、すぐにご案内できるようになっています。実は弊社のオペレーターはもともと大地を守る会のユーザーである人が多く、お客さまでもあり、オペレーターでもあるのです。だからこそ、オペレーターの感覚はお客さまと非常に近く、双方ともに Withdesk Browse を便利だと感じています」(K. I. 氏)
Withdesk Browse の導入だけでなく、さまざまなデジタル化を進めているオイシックス・ラ・大地。単純な“お客さま”としての接客だけでなく、ブランドに対する“ファン”になっていただけるようなデジタル施策を展開していく予定だという。T. M. 氏に、今後の展望についてお話を伺った。
「『大地を守る会』の食に対するこだわり、日本の一次産業に対する思いなどをより多くの人たちに知っていただくため、イベントの開催やネット上の施策をさらに展開していきたいと考えています。そして『大地を守る会』の会員になっていただき、長くお付き合いさせていただくためにも、お客さまの満足度を第一に考えたサービスやサポートを展開していきたいですね。
そのためにも、私たち大地を守る会サポートセンターがお客さまの課題を解決し、さらにサービスに対してどのような悩みや課題を感じているのか、ヒアリングしていくことも重要です。そのために、今後もデジタルを活用してお客さまへの対応品質を向上させていきたいと考えています」(T. M. 氏)
取材の最後に、カスタマーサポートのデジタル化を検討している担当者の方へ、T. M. 氏よりメッセージをいただきました。
「大地を守る会サポートセンターは、アナログな業務が残っていた部署でした。しかし思い切って Withdesk Browse を導入することで、利便性も高まり、お客さまにも大変満足いただいています。思っているよりもデジタル化のハードルは低いはずですので、まずは一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか」(T. M. 氏)
※掲載内容は取材当時のものです。
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