Web マイページの登録手続きの完了率が約4ポイント改善!ご利用者さま目線の Web サービスを実現した JA 共済連の取り組みとは

「相互扶助」を事業理念として、農家組合員の暮らしをサポートするため、「ひと・いえ・くるまの総合保障」を提供する全国共済農業協同組合連合会(以下、JA 共済連)。

2021年4月より Web マイページを運用しているが、毎年約50万人が新規登録を行い、問い合わせ数が増加しているという課題があった。この課題を解決するために導入されたのが、チュートリアルソリューション Withdesk Automate だった。

Withdesk Automate を導入した背景にあった課題や導入までのプロセス、そして導入後の効果について、事務企画部の K. T. 氏、D. K. 氏にお話を伺った。

ご利用者さまとの関係性を大切にした温かみのある Web サービスを目指す

事務企画部では、主に「JA 共済」のご契約者さま向けの手続き整備を企画しており、契約内容の確認等ができる Web マイページの拡充にも力を入れている。従来は全国の農業協同組合(以下、JA )の窓口での対応が主流だったが、組合員のライフスタイルの変化により窓口に足を運ぶことが難しいケースも増えており、オンラインで完結できる手続きを拡充している。

事務企画部が推進するデジタル化について、K. T. 氏、D. K. 氏にお伺いした。

「Web サービスを活用することで事務手続きの手間を減らし、全国の JA 職員が対面での組合員・利用者の皆さまのご応対に集中できるようにすることが重要な戦略となっています。2021年4月に Web マイページやアプリといった組合員・利用者さま向けの Web サービスを展開し、ご利用者さまのご要望に対応するために改修を重ねてきました」(K. T. 氏)

「システム子会社に弊会の開発を支援いただくメンバーとしてチームに参画してもらっており、同じチームで Web サービスの運用を行っています。そのため、弊会の意思決定をリアルタイムに反映できる体制を構築しています」(D. K. 氏)

毎年約50万人が新規登録を行うため、問い合わせ数自体を減らす仕組みが必要だった

2021年4月より Web マイページを運用し、ご利用者さまにとって使いやすい環境を提供することを目指して改修を重ねてきたが、一方で課題もあったと K. T. 氏は語る。

「実際にご利用者さまがつまずくポイントや改善すべき箇所が明確になり、改修することをタイムリーに決めたとしても、システム改修の優先順位やリソースの都合上、即座に対応することが難しい状況でした。特に、Web マイページの改修の場合には、開発に加えて連携テストが必要な場合もあるため、最低でも2〜3か月ほどの期間が必要となることが課題でした」(K. T. 氏)

ご利用者さまが迷いやすい手続きもあり、コールセンターへの問い合わせが増加していたという。

「Web マイページの新規登録では、ご利用者さまが手順を理解しづらく、登録につまずくケースが多かったです。また、自動車関連の Web 継続手続きや振替口座の変更手続きは頻繁に行われるものでないため、手続きに戸惑うご利用者さまが一定数存在しました。

コールセンターでの対応にも限界があり、Web マイページを分かりやすくすれば問い合わせの件数自体を減らせるのではないかという意見がでていました」(D. K. 氏)

このような状況の中、Withdesk Automate の提案を受けたことで、導入を検討することとなった。

情報の網羅性と視認性とのバランスが良く、ご利用者さま目線で使いやすさが向上するツール

JA共済連では2023年にコブラウズソリューション Withdesk Browse を導入し、活用している中で、Withdesk Automate を追加導入した。導入検討する上で重視していたポイントについて、引き続き K. T. 氏、D. K. 氏にお伺いした。

「画面上の情報量には限界があり、Web マイページに必要な情報を詰め込むと、かえって視認性が悪化するケースも発生していました。Withdesk Automate を使ってチュートリアルを設定することでそのバランスがうまく取れると思いました」(K. T. 氏)

「タイムリーに対応することが求められていましたが、システム改修には一定の工数がかかるため、柔軟に変更を加えられる環境を整備することが必要でした。Withdesk Automate は、既存の Web マイページを改修することなく、適宜、チュートリアルを設定しながらユーザーの手続きをサポートできる点が大きな魅力でした。現在では私も管理画面からチュートリアルを設定し、リリースすることもあります。

結果として、本来必要なものに開発リソースを割り当てながら、迅速に改善できる体制を構築できると判断しました」(D. K. 氏)

また、前述のとおり、ユーザーに伝えたい情報が十分に伝わらず、コールセンターへの問い合わせが増加しているという課題があったため、組織内の合意形成はスムーズに行えたという。

「ご利用者さま目線で、使いやすさを重視するという方針と合致したツールであることを示すことで、組織内の合意形成はスムーズに進みました。

また、Withdesk Automate を既に導入していた同業他社の事例を参考にしたことも、組織内での納得感を高める要因となりました。実際に同業他社の Web サービスでつまずきやすいポイントに適切な操作ガイドを表示するチュートリアルを体験したことで、具体的な活用イメージを共有でき、スムーズに導入が決定しました」(D. K. 氏)

部署全体でテストを行い、ご利用者さま目線での使いやすさを意識して設計

Withdesk Browse 導入時に設置したサービスタグをそのまま利用できるため、Withdesk Automate の導入もスムーズに進んだ。導入時にコールセンターや JA の職員等にチュートリアルを導入した旨の周知を行った上で、1か月程度で運用を開始することができたという。

その上で、導入時にこだわった点について、お話を伺った。

「ご利用者さま目線での使いやすさを意識しながら設定しました。特に、スマートフォン画面での使い勝手を考慮し、吹き出しを表示する箇所を調整することで、Web 操作の邪魔にならないような設定にしました。例えば、PC では問題なく表示される吹き出しも、スマートフォンでは画面下部に表示されることで視認性が低下するため、最適な箇所に吹き出しを表示するように工夫を施しました。

条件分岐の工夫も導入時の重要なポイントでした。例えば、新規登録の際には、すべてのご利用者さまに一律の操作ガイドを表示するのではなく、手続きが必要な方にのみチュートリアルを起動できるように設定しました。

ウィズデスク社からサポートいただいたことも非常に助かりました。豊富な事例やナレッジをお持ちなので、どのような文言や表示が効果的かといった具体的な改善点を参考にさせていただきました」(D. K. 氏)

また、導入当初からテストとフィードバックを行い、部署全体で実際にテストしながら改修を進めている。

「実際の画面を見ながら『この文言はこう変えたら良いと思う』等の会話を交わし、様々な人の意見を取り入れながらご利用者さま目線を徹底することで、使いやすさを向上させることを目指しました。

導入後も月次での見直しを基本としており、管理画面を開いてチュートリアルの利用状況をチェックすると同時に、コールセンターからのフィードバックを受けてご利用者さまの意見を反映しています」(D. K. 氏)

Web マイページの登録手続きの完了率が約4ポイント改善

スムーズな導入となった Withdesk Automate を活用したチュートリアルだが、導入によってどのような成果が得られているのだろうか。

「まず Withdesk Automate を導入したことで、Web マイページの改善スピードが大きく向上しました。タイムリーにチュートリアルの修正ができるため、チュートリアルを修正した旨を関係部署へ周知した際、もう反映されたのかと驚かれることが多く、スピーディーな改善が可能になったことは大きな成果です」(D. K. 氏)

課題であった問い合わせ数自体の減少に関する効果についても伺った。

「登録者数が前年比で約50万人増加しているため、問い合わせの総数自体は増加しています。しかし、登録者数と比例して問い合わせが増えているかというと、そうではありません。やはり Withdesk Automate の導入によって問い合わせ数の低減効果が出ていると思います」(K. T. 氏)

「他にも新規登録のプロセスで離脱率の低減に貢献しています。

当社の Web マイページの登録は、大まかに① JA 共済 ID 登録(メールアドレス等の登録)、②ご契約者情報入力という流れで進みます。メールアドレス等の登録まではスムーズに進むものの、その後のご契約者情報入力の段階で離脱率が高いという課題がありました。しかし、チュートリアルを導入したことで、Web マイページの登録手続きの完了ページまでの到達率が約4ポイント向上しました。年間50万人の新規登録があるので、数ポイントの改善でも人数にすると数万人の改善であり、大きな影響があると考えています」(D. K. 氏)

また、外部ツールを使っている違和感がなく、JA 共済連のシステムの一部として自然に溶け込んでおり、ご利用者さまにもスムーズに利用されているとのことだ。

スマートフォン対応の拡充も視野に、ご利用者さま視点で使いやすい手続きを提供していく

同社は定期的に Web マイページの改修を行っており、今後も引き続きご利用者さまが求める機能や手続きの効率化を行っていきたいとのことだ。

「引き続き、ご高齢の方を含むすべてのご利用者さまにとって分かりやすく、使いやすい手続きを提供することを重視しています。ご利用者さま視点を大切にしながら、必要なサポートを適切に組み込むことで、よりスムーズなオンライン手続きを実現したいと考えています」(D. K. 氏)

「新しい機能や手続きを実装する際には、チュートリアル機能を組み込むことを前提とした設計を進めており、今後も Withdesk Automate の活用を積極的に検討していく予定です。

特に、スマートフォン対応をさらに拡充することを視野に入れており、より幅広い利用シーンでの活用を進めていきたいです。Withdesk Automate 自体も継続的に機能を拡充しており、今後も我々のニーズに応えてくれると期待しています」(K. T. 氏)

Withdesk Automate は、組織が求める柔軟性を持ちながら、効果的に活用できるツールとして推奨できると K. T. 氏、D. K. 氏は語る。

「やはり導入のハードルが低いことは大きなメリットだと思います。システムの改修を伴うと時間やコストがかかることが多いですが、短期間で導入でき、管理の負担も少ないため、気軽に試すことができます。さらに、もし公開したチュートリアルを表示させないことになった場合も、管理画面上からすぐに非公開にすることができるため、大きなリスクを伴うことなく導入を検討できるのも利点です」(K. T. 氏)

「特に金融業界では、サービスが複雑になりがちで、高齢者にとっては手続きが煩雑に感じられることも少なくありません。そのような状況の中で、Withdesk Automate は利用者の負担を軽減し、手続きをスムーズに進めるための有効な手段になると思います」(K. T. 氏)

※掲載内容は取材当時のものです。

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