“ありがとう”が増えるサポートへ!花王が目指す新しい顧客体験とは

創業以来、生活者起点の“よきモノづくり”を通じて「人々の豊かな共生世界の実現」を目指すことを使命としてきた花王株式会社。

同社は2021年より自社化粧品 EC サイトをスタートし、生活者との接点を広げる取り組みを始めた。2022年には、生活者と直接つながる双方向のデジタルプラットフォーム「My Kao」の運用を開始し、お客さまと深くつながり、さまざまな顧客体験を提供している。近年はこれらのプラットフォームの拡大に伴い、会員登録や購入手続きに関する問い合わせが増加。こうした課題を受けて、同社は2025年2月よりコブラウズソリューション Withdesk Browse(ウィズデスクブラウズ)を導入している。

今回は、導入の背景やプロセス、導入後の効果について、PR 戦略部門 生活者コミュニケーションセンター 相談コミュニケーション部 部長の M.T. 氏、同部 D2C 室 室長の N.M. 氏、同室の Y.N. 氏にお話を伺った。

生活者起点でお客さまとつながる

生活者の想いに真摯に向き合い、その想いをよきモノづくりにつなげ、生活者の自分らしい未来の暮らしづくりの起点になるべく、「人とつながり、よりよい暮らし、笑顔あふれる未来に」というパーパスを掲げ活動する生活者コミュニケーションセンター。

同センターは、日々寄せられるお客さまの声を丁寧に受け止め、その声を事業や製品開発へと反映させる役割を担っている。

なかでも D2C 室は EC サイト「My Kao Mall」と自社化粧品 EC サイトを通じて商品やサービスを提供し、その中で得られるお客さまの声を活かしながら、よりよい顧客体験の実現に向けた改善活動を継続的に行ってきた。

「お問い合わせをいただいたお客さまへのサポートを通じて、一人ひとりのお客さまを大切にし、最高のショッピング体験を提供することでロイヤルカスタマーを増やしていくことを目指しています。そのためにも、サポートの質をさらに高めていきたいと考えています」(N.M. 氏)

現場の声から見えた課題。わかりやすい案内を届けるために

D2C 室では、My Kao Mall や自社化粧品 EC サイトを利用するお客さま一人ひとりに寄り添った丁寧な対応を大切にしてきた。電話やオンラインでのやり取りにおいて、わかりやすく安心できるサポートを提供するため、オペレーターは常にスキルを磨き、対応品質の向上に取り組んでいる。

しかし、こうした努力を重ねる中で、新たな課題が浮かび上がった。My Kao Mall や自社化粧品 EC サイト拡大に伴い、会員登録や購入手続きに関する問い合わせが急増したのである。特に EC サイトの利用に不慣れなお客さまからは、スマートフォンの操作方法や登録時の入力方法についての質問が目立つようになった。

「キャンペーンや施策を展開し、会員登録者を増やしていけばいくほど、会員登録や購入手続きに関する問い合わせも増える状況でした。電話で口頭だけで説明するのは難しく、対応時間が長時間にわたるケースも少なくありませんでした」(N.M. 氏)

サイト内には解決につながる Q&A が用意されていたものの、必要な情報を自力で見つけるのが難しいお客さまも多く、電話対応に頼らざるを得ない状況が続いていた。結果として、問題解決までに時間がかかってしまう場面が増えていたのである。

「お客さまがもっと安心して手続きを進められるように、わかりやすくサポートできる体制が必要でした」(N.M. 氏)

お客さまにとって使いやすく、安心できるツールを選ぶまで

「課題は明確になっていたものの、解決に向けた有効な手段はまだ見つかっていませんでした。そうした中でウィズデスク社から Withdesk Browse をご紹介いただき、初めて具体的な解決策として検討を進めることになりました」(N.M. 氏)

検討にあたって最も重視したのは、お客さまにとって分かりやすく、簡単に利用できることだった。

「お客さまの貴重な時間を少しでも減らし、より満足いただける対応を実現することが導入の最大の目的でした。Withdesk Browse なら、それを実現できると感じました。特に、お客さまがアプリをダウンロードする必要がなく、スマートフォンや EC サイトの操作に不慣れな方にも簡単にご案内できる点は大きな魅力でした」(N.M. 氏)

また、オペレーターの負担の少なさやセキュリティ面での安心感も重要なポイントだった。

「オペレーターは複数のシステムを使って業務を行っているため、新しいツールが増えると対応時の負担が大きくなります。その点、Withdesk Browse は操作がシンプルでスムーズに活用できると感じました。さらに、パスワードのマスキング機能などセキュリティ面でも安心できました」(N.M. 氏)

「導入後も安心して活用できるよう、定期的な情報提供やサポートを受けられる体制が整っている点も非常に心強かったです。連絡も迅速で、現場でも安心して活用できると感じました」(Y.N. 氏)

スムーズな立ち上げを実現したシンプルな運用準備と現場での工夫

Withdesk Browse は導入までの準備負担が少なく、現場への浸透もスムーズだったという。2024年11月に契約後、社内ではデジタル部門との連携を取りながらシステム面の設定を進め、2025年2月の本稼働に備えた。

「ウィズデスク社からの研修を受け、すぐに操作を理解できたため、特別な準備は必要ありませんでした。各オペレーターが想定されるお客さま対応を意識したトレーニングを行い、本稼働を迎えました」(N.M. 氏)

導入後は、オペレーター同士でどのタイミングで画面共有を案内するか、どう伝えればお客さまに安心してもらえるかといった知見を共有し、現場で運用方法を磨き上げていった。

「お客さまに不安を与えないよう、パスワードやカード情報などが表示されないことを事前にお伝えしています。また共有後は、こちらでできる操作をすぐに案内し、安心してご利用いただけるよう心がけています」(N.M. 氏)

また、スマートフォンから EC サイトを利用しながら電話で問い合わせをするお客さまも多いため、音声をスピーカーに切り替えていただくなど、状況に応じた案内を行い、円滑なサポートを実現している。

「ありがとう」が増えた理由。花王が実感するお客さま視点のサポートの価値

Withdesk Browse の導入後、現場のオペレーターからは「長時間かかっていた対応が短縮できるようになった」「お客さまが迷っている箇所をすぐに把握できるようになり、やり取りがスムーズになった」といった声が多く寄せられた。画面を共有しながら案内できることで、従来よりもわかりやすく丁寧なサポートが可能になり、結果としてお客さまからの満足度も高まっている。

「お客さまがどの操作で迷っているのかがすぐにわかるので、会話だけでは把握しづらかった状況が格段にわかりやすくなりました。結果として、以前に比べてやり取りが減り、よりスムーズに問題解決できるケースが増えています」(N.M. 氏)

「画面共有を活用することで、これまで『また明日やってみます』となっていたお客さまが、その日のうちに手続きを完了できるケースが増えました。同じ時間でも解決に至る割合が明らかに高まったと感じています」(Y.N. 氏)

さらに、お客さまからの反応にも変化が見られたという。

「『わかりやすくて良かった』『見てもらえて安心した』という言葉と一緒に、『ありがとう』と言っていただけることが増えました。お客さまの満足度の向上を実感できるのが、現場としても大きな励みになっています」(Y.N. 氏)

印象的なエピソードもある。会員登録で困っていたお客さまが、以前 Withdesk Browse でサポートを受けた経験から「また繋いで案内してほしい」とリクエストしたことがあったという。こうした出来事は、口頭だけの案内に不安を感じていたお客さまにとって、このツールが頼れる存在になっていることを示している。

効率化の効果も大きいが、同社が最も重視しているのはお客さまに喜んでいただけるサポートを実現し、その結果としてファン化につなげていくことだ。

「お客さまのお困りごとに期待を超える対応で、花王・ブランドのロイヤリティアップにつながることが、私たちの目指すところです。Withdesk Browse は効率化だけでなく、お客さま視点のサポートを実現できる点に大きな価値があります」(M.T. 氏)

生活者起点のサポートを次のステージへ

今後は、商品の特徴や使い方を画面を見ながら案内するなど、情報提供の幅を広げるツールとしても積極的に活用していきたいという。

「家庭用品や化粧品、日用品など、私たちが扱う商品は幅広くあります。これまでは言葉だけで説明することが多かったのですが、画面を一緒に見ながら説明できれば、よりわかりやすくお客さまに伝えられます。問題解決にとどまらず、満足度をさらに高めるためのツールとして活用を進めていきたいです」(N.M. 氏)

最後に、これから導入を検討する企業へのメッセージを聞いた。

「IT に不慣れな方が EC サイトで商品を購入する際に不安を感じる場面でも、このツールを使えばお互いに画面を見ながら、どこで困っているのかを一緒に確認できます。(Y.N. 氏)

「Withdesk Browse は幅広い場面で活用でき、さまざまなお客さまに対応できる点が大きな魅力だと思っています。お客さまとつながるための心強いサポートツールですね」(M.N. 氏)

花王が大切にしてきた生活者起点の姿勢は、サポートの現場にも息づいている。Withdesk Browse の活用は、単なる業務効率化を超えて、お客さま一人ひとりに寄り添い、安心と満足を届けるための新たな手段として定着しつつある。

 ※掲載内容は取材当時のものです。

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