完了ページまでの遷移率をおよそ125%改善!Withdesk Automate でセルフオンボーディングを実現したセゾン自動車火災保険

130年の歴史を持つ SOMPOグループで国内損害保険事業(ダイレクト型損害保険事業)を担うセゾン自動車火災保険株式会社。ダイレクト型の自動車保険を引受けている同社では、ウェブサイトに訪問したお客さまの初回解決率や遷移率を向上させるため、またお客さまからの入電数を抑制するため、A/B テストによるサイト改善に取り組んできた。

以前からウェブサイト改善に悩んでいた同社では、チュートリアルソリューション「Withdesk Automate(ウィズデスク オートメート)」を導入している。

Withdesk Automate を導入した背景にあった課題や導入までのプロセス、そして導入後の効果について、DX 推進部デジタルコミュニケーションラインの S. O. 氏、お客さまサービス部事務企画ラインの Y. E. 氏にお話を伺った。

保険への抵抗感を減らすために、ウェブサイトのユーザビリティ向上に取り組む DX 推進部

インターネットや電話を利用し、お客さま自身で加入手続きを行うダイレクト型の自動車保険を提供するセゾン自動車火災保険。同社の DX 推進部デジタルコミュニケーションラインでは、お客さまの保険に加入する際の抵抗感を取り除くため、ウェブサイトのデザインや仕様の統一、ユーザビリティの向上に取り組んでいる。

その一方で、お客さまからの保険の申し込みに対して引受けが可能かを判断し、スムーズに保険商品をご案内するために事務業務の最適化を図っているのが、お客さまサービス部事務企画ラインだ。

今回 Withdesk Automate を導入した保険商品「おとなの自動車保険」について、DX 推進部の S. O. 氏にお話を伺った。

「ダイレクト型というサービスの特性上、基本的にはインターネットに慣れている方にご加入いただいています。以前は代理店型の保険と比べて安価な保険料を強みにしていたのですが、最近では補償内容が分かりやすいこと、気軽にお申し込みいただけることを全面に押し出しています。

DX 推進部では、よりお客さまに便利な保険商品を提供するため、DX の推進に力を入れてきました。その代表的な例に、弊社の公式 LINE アカウントを用いて保険証券を一括管理できる『ほけんnote』があります。

保険に加入されているお客さまが抱えている『どこに証券があるか分からない』『保険ごとの連絡先が分からない』『そもそも何の保険に加入しているか分からない』といった悩みを解決するためにリリースした機能です」(S. O. 氏)

A/B テストによるサイト改善だけでは、劇的な初回解決率の向上が見込めなかった

同社ではお客さま自身の手で保険の加入申請がすべて完了する「セルフオンボーディング」をより浸透させることに注力している。その取り組みの中で重要視されている指標が「初回解決率」と「遷移率」だ。初回解決率とは、お客さまがウェブサイトに初めて来訪されたとき、来訪の目的を達成することができた割合のこと。遷移率とは、お客さまがウェブサイトから離脱せず、正しくページ遷移している割合を表している。

さまざまな施策で特に重きを置かれていた初回解決率について、S. O. 氏にご説明いただいた。

「自動車保険のウェブサイトにお客さまが訪れる理由はさまざまです。例えば『まずは保険料を見積もりたい』『自動車保険を申し込みたい』といった理由が代表的です。

そのなかでも『すでに契約している自動車保険を、新しい車両に変更したい』という契約変更の目的で来訪される既存のお客さまが多いため、よりセルフオンボーディングしやすいウェブ環境を整えなければと考えていました」(S. O. 氏)

初回解決率を改善するため、これまで取り組んできた施策は大きく2つ。まず1つが、お客さまの声をヒアリングすること。お客さまサービス部に日々寄せられるお客さまからの声を参考に、お客さまファーストのウェブサイトを実現していくというものだ。

そしてもう1つは、A/B テストによるウェブ改善だ。クリックするボタンのレイアウトやデザイン、画面遷移など、さまざまなパターンを比較し、数値の改善が見られたパターンを採用することでウェブサイトを最適化していく方法で、これまで特に注力してきた施策だと S. O. 氏は話す。

「例えば、生年月日の入力フォームを和暦や西暦で併記できるようにしたり、入力時に確認してもらう注意文言をフォームの下に配置し、入力すべき場所を分かりやすくしたりといった、お客さまファーストの改修を重ねてきました。

しかし A/B テストによるサイトの改修では、遷移率は数%ほどの改善に留まります。そして、ウェブサイト上のさまざまな手続きルートの中でも、車両変更(車両入替)の初回解決率は依然として低いままだったのです」(S. O. 氏)

車両変更の初回解決率が劇的に改善されなかったことは、お客さまサービス部にも負担になり続けていたと Y. E. 氏は話す。

「『ウェブ上で申し込みしたいが、自分では操作方法が分からない。案内してほしい』というお客さまからのご連絡は、常に一定数存在していました。さまざまなお問い合わせの中でもウェブ操作のご案内は時間がかかっていたので、現場にとっては負担だったのです」(Y. E. 氏)

お客さまに複雑な情報入力をお願いするウェブサイトにこそ、チュートリアルが必要

A/B テストによる車両変更の初回解決率の改善には限界を感じていた中で出会ったサービスが Withdesk Automate だった。 Withdesk Automate は、実際のウェブサイト上に操作案内(チュートリアル)を自動的に表示することで、お客さまのセルフオンボーディングを促進するソリューションだ。

Withdesk Automate の提案を初めて受けたときの第一印象を、S. O. 氏は以下のように振り返る。

「チュートリアルによってお客さまにご案内するソリューションであると初めて聞いたとき、社内では『こんなすごいツールがある』と話題になりました。

自動車保険における車両変更手続きでは、どうしてもお客さまに複雑な情報入力をお願いしなければなりません。そのため、Withdesk Automate と私たちのウェブサイトは相性がよいのではと感じたのです。

ウィズデスク社からご提案を受けたあとに上長へ相談したところ『(新しい施策でも)どんどんやっていこう』と快諾を得られました。

また、技術的にもかなり新しいソリューションで競合比較できる他社ツールが少なく、Withdesk Browse の取り組みでウィズデスク社には信頼を置いているため、社内の検討後にすぐ導入を決定しました」(S. O. 氏)

toC サービスに最適!チュートリアルを細かく条件分岐を設定できる点を高く評価

Withdesk Automate の導入決定後、およそ4ヶ月の導入期間でウェブサイトに実装し、まずは A/B テストの一環としてリリースされることになった。なかでも最もこだわったポイントが「条件分岐」であったと、Y. E. 氏は実装期間を振り返る。

「Withdesk Automate では、かなり細かく条件分岐を設定できたことが強く印象に残っています。

特に自動車保険における車両変更の手続きは、とても細かいケースごとに分かれているのです。車両の所有者やモデルの新旧、ASV(衝突被害軽減ブレーキ)の有無などがその一例です。特に返還保険料と追加保険料の分岐、つまり車両の変更で保険料が高くなるか、低くなるかによって大きく画面構成が変わります。

お客さまが迷いやすい複雑な条件分岐であっても、Withdesk Automate であれば問題なくチュートリアルを設置できたことは、ソリューションとして魅力でした。そして、ウィズデスク社のご担当者には、こちらの商品を理解した上で丁寧に細かくご対応いただいたことも印象に残っています」(Y. E. 氏)

導入以前の競合比較で、Withdesk Automate 以外の選択肢が乏しかったのは、こうした細かい条件分岐に対応できる機能が他社ツールには実装されていないことが理由だ。多くの他社ツールでは複雑な条件分岐を想定しておらず、一方通行の画面遷移にしか対応できない場合がほとんどのため、一般消費者向け(toC)の細かい条件分岐が必須となるサービス画面には不向きである。そのため、toB 向けのシンプルな SaaS 画面に導入されるケースが多い。

一方で Withdesk Automate の場合、「攻めのカスタマーサービスを実現する」を社のビジョンに掲げている通り、当初より toC サービス向けにサービスを開発しているため、今回のケースのような複雑な条件分岐にも対応することができる。

Y. E. 氏が評価する Withdesk Automate のもう1つの要素が、チュートリアル画面のハイライト機能だ。この機能はウェブサイトのレイアウトを見直すきっかけにもなったと話す。

「ハイライト機能で入力に必要な箇所以外をグレーのフィルターで隠すことができるのですが、正直最初は不安でした。というのも、見えにくくする部分のテキストには、お客さまに必要な情報をすべて余すことなく載せています。

社内のコンプライアンス担当からも問題ないと承認は受けていたものの、テキストの一部が見えにくくなることは、かえってお客さまを不安にさせてしまい、結果として遷移率を下げてしまうのではと思ったのです。

しかし、チュートリアルのおかげでとても分かりやすいウェブサイトになり、私自身もテスト入力をしてみて気持ちいいなという感覚を持ったのです。画面上で回答すると、次の入力項目がハイライトされ、サクサク進んでいく感覚はとても面白いと感じました。

入力には必要最低限の情報で十分であると実感し、改めてサイトを見直すきっかけになったと思います」(Y. E. 氏)

導入後、完了ページまでの遷移率は約125%の改善!これまでの施策を大きく上回る成果

Withdesk Automate の導入は、チュートリアルの有無で A/B テストを実施しており、ウェブページの遷移率とお客さまサービス部への入電率(車両変更に関するウェブ操作のお問い合わせ)で数値の比較を行った。A/B テスト開始からおよそ4ヶ月でどのような効果が得られたのだろうか。「導入以前と比べると、想定を大きく上回る効果があった」と、S. O. 氏は言葉を強めた。

「Withdesk Automate による A/B テストでは、チュートリアルへ案内するポップアップの表示割合を50%、つまり2人に1人がチュートリアルを利用できるように設定しました。

A/B テストの結果、全体の遷移率が約125%の上昇となっています。これまでかなり成功しても数%しか遷移率が改善しなかった A/B テスト施策と比べると、想定を大きく上回る効果がありました。

また、車両変更に関する問い合わせの入電も減ってきています。今回は全体の50%にチュートリアルをご案内しているため、すべてのお客様にご案内した場合はより一層の入電抑制が見込まれます」(S. O. 氏)

「今回の取り組みの目的の1つは、セルフオンボーディングを強化することでお客さまサービス部へのお問い合わせを抑制し、現場の負担を減らすことでした。こうした取り組みをしているという姿勢は、お客さまサービス部から感謝の声をもらっています。

また、DX 推進部とお客さまサービス部を統括する役員からも『ナイストライ!』との評価がありました」(Y. E. 氏)

ウェブサイトの操作で迷っているお客さまを導く「案内人」のようなツール

「おとなの自動車保険」をはじめ、火災保険や医療保険など、多数の保険商品を扱う同社では、現在は商品ごとに異なっているウェブサイトのデザインや仕様の統一をしていき、さらなるユーザビリティの向上に取り組む予定だという。その上で Withdesk Automate に対する総評と今後の展望を、Y. E. 氏と S. O. 氏に伺った。

「Withdesk Automate を一言で表すと、お客さまにとってウェブサイトの操作を一緒に進めてくれる『案内人』のような存在ですね。次はどこに何を入力すればよいのか、適切に指示を出してくれます。

ですので、入力項目が多く、かつ複雑な条件分岐があってお客さまが迷いやすいウェブサイトには、Withdesk Automate はピッタリなツールになると思います」(Y. E. 氏)

「弊社では今回、『おとなの自動車保険』の車両変更ページに Withdesk Automate によるチュートリアルを導入しました。今後は成功事例を横に展開していき、自動車保険の新規加入手続きページや火災保険のウェブサイトへの導入も検討していきたいですね」(S. O. 氏)

※掲載内容は取材当時のものです。

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