お客さま満足度を向上させつつ、対応時間を約13%短縮!損保ジャパンが考える、DX 時代のカスタマーセンターの在り方とは

すべての人々の幸せとより良い社会の実現のため、「Innovation for Wellbeing」をブランドスローガンに掲げる大手損害保険会社、損害保険ジャパン株式会社(以下、損保ジャパン)。損保ジャパンでは「人」と「デジタル」の組み合わせによるカスタマーセンターの DX(デジタルトランスフォーメーション)に取り組んでおり、その一環としてコブラウズソリューション「Withdesk Browse(ウィズデスク ブラウズ)」を導入している。

Withdesk Browse を導入した背景にあった課題や導入プロセス、そして導入後の効果について、カスタマーコミュニケーション企画部 企画グループ デジタルチーム主任 T. K. 氏、荻窪カスタマーセンター室 チーフスーパーバイザー N. N. 氏、ユニットリーダー H. A. 氏にお話を伺った。

カスタマーセンターのデジタルシフトを推進する損保ジャパン

損保ジャパンでカスタマーセンターの DX 推進全般を担当している部署がカスタマーコミュニケーション企画部のデジタルチームだ。同チームで主任を務めている T. K. 氏に現在の業務内容を伺った。

「弊社のカスタマーセンターはお客さまからの契約に関するお問い合わせにお答えしたり、契約内容変更のお手続きを行ったりしています。カスタマーセンター業務は受電対応が中心ではありますが、現在デジタルシフトを推し進めております。デジタルシフトによって、お客さまへのより良い顧客体験価値の提供を目指すとともに、カスタマーセンターの現場メンバーがより付加価値の高い業務に集中できるような環境の実現を目論んでいます。

荻窪カスタマーセンター室では、お客さまが利用しているインターネット上のマイページやウェブで加入できる保険商品である時間単位型自動車保険『乗るピタ!』、新・海外旅行保険『off!(オフ)』の応対をしています。システム操作や契約、登録情報変更のお手続きについてアドバイザー(=オペレーター)と呼ばれる社員がご案内しています」(T. K. 氏)

カスタマーセンターのデジタルシフトを進めるなかで、まず注力した領域がチャットボットやウェブフォームを活用したノンボイスの顧客コミュニケーションだ。カスタマーセンターの運営側視点としても、ノンボイスのコミュニケーションは事業効率がよいものの、その反面大きな懸念点があったという。

「ノンボイスのコミュニケーションだけでは、特に60代以上でご高齢のお客さまを置いてけぼりにしてしまう不安がありました。実際のところ、お問い合わせの6〜7割は PC 操作に慣れていないご高齢の方からです。お電話をしながらでも、PC 操作をサポートできるような手厚く丁寧なコミュニケーションが求められていました」(N. N. 氏)

お客さま満足度を第一としながら、対応時間の短縮を目指す

損保ジャパンのカスタマーセンターでは「お客さま満足度」を第一と捉え、無理に解決時間を早めることはしていない。ただ、限られた人数のアドバイザーでより多くのお客さまの悩みを解決するために、1件あたりの対応時間を短くすることは重要なミッションであった。そのため、1通話の処理時間を10~12分に目標設定しているという。

荻窪カスタマーセンター室ユニットリーダーの H. A. 氏が、Withdesk Browse 導入以前の課題を振り返る。

「アドバイザーがお客さまからの電話を受けながら、PC 操作を案内するサポートを『同行操作』と現場では呼んでいます。この『同行操作』の場合、対応時間が30分以上もかかかってしまうことも珍しくなかったのです。

その理由は2つあります。アドバイザー側はお客さまがどの画面を見ているか推測するしかなく、どの操作で悩まれているのか把握するまでに時間がかかること。もう1つが、お客さま自身が『今どの画面にいるのか』『何をしてほしいのか』をうまく言語化できないことです」(H. A. 氏)

その結果、対応時間が長くなってしまうことでご意見やお叱りの言葉をいただくこともあった。全体数は決して多くはないものの、マイページの相談に対して毎月4,000件の入電があるなかで、30件ほどは PC 操作に対するご意見やお叱りの言葉だったそうだ。アドバイザーのモチベーションにも大きく関わる課題だと認識し、課題を解消するために画面共有しながらサポートできるツールの導入を検討することとなった。

お客さまのソフトウェアダウンロードが不要!分かりやすい UI が導入の決め手

損保ジャパンが画面共有型のサポートツールの導入を検討し始めたのは、2015年頃のこと。ただ、当時は「PC 画面を他者に共有する」という操作方法がほとんど認知されておらず、お客さまを驚かせてしまったり、不安に思われてしまったりする懸念が拭えなかったため、ツールの導入は断念した。当時の状況を H. A. 氏が振り返る。

「当時は諦めましたが、安全な環境でお客さまの画面を共有いただけたら、どんなに楽だろうかと思い続けてきました。IT ツールが一般的になり、画面共有に対する不信感が薄らいできた2019年に、いよいよ画面共有型のサポートツールの導入を検討することになったのです」(H. A. 氏)

Withdesk Browse に出会う以前に、2, 3社でトライアルが行われた。さまざまな項目で比較検討が行われるなか、他社ツールに共通した「欠点」があったのだという。

「検討していたツールでは、一部のお客さまが操作する PC でアプリやソフトウェアをインストールしていただかなければならない場合があったのです。画面を共有する前に5分以上もかかり、しかもお客さまのインターネット環境によってはそれ以上にダウンロード時間がかかる可能性もありました。インストールの手順もアドバイザーが電話で説明しなければならず、効率化のために余計な時間がかかかってしまうことは本末転倒であるため、弊社環境への導入が難しかったのです」(T. K. 氏)

一度は諦めかけたサポートツールの導入であったが、インターネット検索を重ねていくなかで出会ったツールが Withdesk Browse だった。導入の決め手となった要素が、ソフトウェアダウンロードを必要としないコブラウズソリューションであったこと。

また、お客さまの個人情報が画面に映ってしまうため、任意のマスキング設定をして個人情報部分をアドバイザーから隠す機能や、コブラウズの範囲がウェブページのみで PC 画面全体を映さないセキュリティ面も高評価であった。

分かりやすい UI で、新入社員は半日もかからず操作方法を習得

2019年の年末より Withdesk Browse の導入がスタート。2020年2月には運用が軌道に乗る状態となり、非常にスムーズな出だしとなった。

導入初期はアドバイザー向けに、A4 で1ページほどのマニュアルを作成し、1か月間の研修期間を設定していた。しかし、想定よりも分かりやすい操作感であったため、現在では新しく入社した社員への研修には半日もかかけていないという。

「Withdesk Browse は UI が分かりやすいため、お客さまとアドバイザーの画面を見比べてもらい、簡単なマニュアルを読んでもらうだけで必要な要素は理解できると思います」(N. N. 氏)

2021年9月現在、荻窪カスタマーセンター室では、およそ45名のアドバイザーが Withdesk Browse を活用したサポート業務を行っている。

お客さま満足度の向上だけでなく、平均対応時間も2分短縮

お客さまが画面共有サポートを受けるには、対象の画面の左下の水色のアイコンをクリックし、電話中のアドバイザーが案内する数字を入力するだけ。その直感的でシンプルな操作方法に対するお客さま満足度は高く、定量的な成果として示されていると N. N. 氏は話す。

「通話対応後に調査しているお客さま満足度と実際の対応ログデータを照合したところ、最高評価の<5>であったお客さま対応のほとんどで画面共有サポートが行われていたことが分かりました。問い合わせ時は不満気だったお客さまからも『今はこんな便利なんだね』『すごいね』というお褒めのお言葉をいただけるほど、ストレスのないサポートが実現できています」(N. N. 氏)

もう1つ重要な成果が、対応時間の短縮だ。Withdesk Browse の導入以降、平均で15分ほどであった対応時間が、現状で13分まで短縮できており、目標の「12分以内」まであとわずかだ。実際にお客さまの画面を視認、操作できるようになったことで、目に見えない半角スペースを発見できたり、代理入力機能で細かい数字をお客さま様に代わって入力したりと、全体の対応スピードが向上しているという。

「アドバイザーからはお客さまから感謝の言葉をいただくことが増えたと聞いており、現場のモチベーション向上にも大きく貢献していると感じます。こうした結果から、毎月アドバイザーがどれだけお客さまと画面共有して対応しているか分析し、より活用頻度を上げるため、画面共有サポートへお客さまをスムーズに案内する方法を日々考えています」(H. A. 氏)

「Withdesk Browse の導入は、まさに理想的なデジタルシフト」

Withdesk Browse の導入は、損保ジャパン社内でも話題になっているという。別のカスタマーセンターを持つ他部署から、今回の画面共有サポートについて相談があり、実際に導入することとなったのだ。T. K. 氏は今後の展望について「顧客体験」がキーワードになってくると話す。

「今後もデジタルシフトを強く推進していきたいと考えていますが、ただツールを導入すればよいという話ではありません。現場のアドバイザーがより付加価値の高い業務にシフトしていくことで、よりよい顧客体験を提供していくことが重要になります。

そうした意味で、デジタルを活用して業務を効率化しながら手厚いサポートを実現できた Withdesk Browse の導入は、まさに理想的なデジタルシフトだったと思います。今後も DX を積極的に推進し、『人』と『デジタル』が融合したサービスを提供していくことで、カスタマーセンターによるお客さま対応品質の向上を図っていきます」(T. K. 氏)

※掲載内容は取材当時のものです。

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