対応時間を20分近く短縮し、ほとんどのお困りごとを解決できるように。デジタル化推進と手厚いお客さま対応を Withdesk Browse で両立

大丸、松坂屋、パルコを中核に持つ J.フロント リテイリンググループで決済・金融事業を担うJFRカード株式会社。実店舗である百貨店のお客さまを基盤にクレジットカードの発行、各種サービスを提供する同社では、サービスリニューアルを機にポイント交換や利用明細のウェブ化を推進。同時にウェブ登録にお困りのお客さまをサポートするため、コブラウズソリューション「Withdesk Browse(ウィズデスク ブラウズ)」を導入している。

Withdesk Browse を導入した背景にあった課題や導入プロセス、そして導入後の効果について、システム・業務企画本部 カード業務部コンタクトセンター マネージャーの N. M. 氏、同センターでリーダーを務める T. T. 氏にお話を伺った。‍

応答率や後処理時間だけでなく、「お客さまの声」を取り入れるためのコンタクトセンター

大丸・松坂屋で知られる J.フロント リテイリンググループで決済・金融事業を担うJFRカード株式会社。「くらしの『あたらしい幸せ』を支える決済・金融サービスにおけるベストパートナーを目指す」をビジョンに掲げ、カード発行事業、加盟店事業、保険事業、金融事業といった4つの事業を展開している。

今回、Withdesk Browse をご導入いただいたカード発行事業では、⼤丸松坂屋カードの発行や、クレジット利用でポイントが貯まるポイントプログラム「QIRA(キラ)ポイント」を運営している。同社のカード発行事業の特徴について伺った。

「普段から大丸・松坂屋の実店舗をご利用されているお客さまが会員さまであることが多く、ご高齢(60代以上)の方や地元にお住まいの方の比率が高くなっています。

そのため、地域に根ざした取り組みやキャンペーンが多くなっており、2022年9月には神戸地域の発展と課題解決を目指し、プロバスケットボールクラブ『西宮ストークス』とのパートナーシップ契約を締結したことはその一例です」(N. M. 氏)

同社のカード発行事業におけるもう1つの特徴として、お客さまの声に寄り添い、サービス改善にも積極的につなげていることが挙げられる。「声から『伝わる』おもてなしの心と『伝える』くらしのあたらしい幸せ」をスローガンに掲げているコンタクトセンターの業務について、コンタクトセンターでリーダーを務めている T. T. 氏に伺った。

「弊社のコンタクトセンターでは、応答率後処理時間、そして月40件のお客さまの声を取り入れるという目標を設定しています。また、今年度はお客さまの声を経営にも反映させるため、VOC検討委員会という経営会議に直結する会議体も新設されました」(T. T. 氏)

カードサービスのリニューアルを機にデジタル化を推進し、ウェブ明細へ移行

お客さまの声に寄り添うため、さまざまな施策に取り組む同社は、「サステナビリティ経営」に注力している。事業を通して社会全体の課題解決を目指しており、その一環の施策として進められたのがカード明細のペーパーレス化だ。ペーパーレス化への取り組みと、そこで生じた新しい課題について、N. M. 氏が当時を振り返る。

「2021年1月に、クレジットカードのサービス全体のリニューアルがありました。新しいポイントサービスが開始され、それに伴って新しい専用の会員サイトが立ち上がったのです。新しい会員サイトでは QIRAポイントの交換やカード明細が確認できるようになり、以前よりも便利でお得になったものの、お客さまによる新規のウェブ登録が必須であることが懸念点でした」(N. M. 氏)

ウェブ操作に慣れていないご高齢のお客さまも多く、クレジットカードのサービスリニューアル後から電話によるお問い合わせ数は増加したという。ウェブ明細が更新される月末には1日に30件前後のウェブ操作に関するご相談があり、さらに1件あたりの対応時間が1時間を超えてしまうこと、それでも解決には至らないことも珍しくなかった。

「対応時間が伸びてしまった結果、コンタクトセンターの応答率が下がり、お問い合わせいただいたお客さまを長くお待たせすることが増えてしまいました。特にお客さまがお困りのウェブページを特定するだけで10分以上かかることもありました。

お客さまに現在開いている画面をご説明いただくのは大変ですし、現場のオペレーターにとっても大きな負担でした。そこでコンタクトセンターの業務を効率化するため、画面共有ツールの導入を検討し始めたのです」(N. M. 氏)

スマートフォンに対応していること、ソフトやアプリのダウンロードが不要な点で比較検討

画面共有ツールの導入にあたっては、Withdesk Browse を含む3社で比較検討された。お問い合わせのほとんどが、スマートフォンによるウェブ操作に関する内容であったため、スマートフォン画面へのサポートが可能であること、画面共有時にソフトウェアやアプリケーションのダウンロードが不要であること、この2点を中心に比較していくことになったと、N. M. 氏は話す。

「Withdesk Browse 導入の決め手は、お客さま側で画面共有時にソフトウェアやアプリケーションのダウンロードをしていただく手間がないこと、スマートフォン操作のサポートが可能であり、実際にその導入実績があることでした。

その他には、画質が劣化しないことやデータ通信料が小さく抑えられること、そして費用面でもメリットがあります。使いやすいツールであるにも関わらず、費用対効果は他社と比べても安価でライセンスあたりの利用料も高くないため、今後チームを拡大していく場合も問題ないと判断しました。

また、社内のシステム担当者からは、『ウェブ画面へのタグ埋め込みを依頼するだけだったため、ベンダーさんに負担をかけずに済んだ』と聞いています」(N. M. 氏)

ウェブ操作に関する問い合わせ数の増加と応答率の低下に対し、経営でも危機感を持っていたため、今回の Withdesk Browse の導入はすぐに承認を得ることができたという。クレジットカードのサービス全体のリニューアルから3か月後にツールの導入が決定され、お客さまと顧客対応部門、双方の負担を減らすための Withdesk Browse 導入が進められることとなった。

タグを埋め込むだけの手軽なツール導入が高評価。オペレーターへの操作方法の共有は数分で完了

Withdesk Browse の導入決定からおよそ3か月後、お客さまへのご案内が始まった。これまで同社では、ツールを導入する場合には関係各所への確認や一部システムの開発や連携が必要になるため、導入まで時間がかかりがちであった。しかし Withdesk Browse の場合、タグを画面共有対象ページに埋め込むだけという手軽さから、運用開始までのスケジュールが短くなり、同社のシステム担当者の負担はとても軽かったという。

「初期設定で特にこだわったポイントが、Withdesk Browse へご案内する際のボタンのデザインです。ご高齢の方にも伝わるよう、またウェブサイト内の他のデザインと被らないように『オペレーターの顔』のイラストで設定しました。お客さまも即座に見つけてくださいますので、すごく満足しています」(N. M. 氏)

コンタクトセンターで働くオペレーターへ Withdesk Browse の操作方法を展開する際には、システム担当者から説明会が開かれた。結果として、その一度の説明会で現場への共有は完了したと T. T. 氏は振り返る。

「オペレーターへの Withdesk Browse の操作方法の説明は、たった数分で終わったと記憶しています。その後は、お問い合わせ内容に沿って、お客さまへどのようにご案内するのか話し合いました。

例えば、画面共有が完了していることを伝えるため、ポインターや画面自体を少し動かしたり、ご案内する際にカタカナや難しい言葉をなるべく使わないことを決めています」(T. T. 氏)

ウェブ操作の対応時間が10〜20分短縮し、約9割のお困りごとを解決できるように

クレジットカードのサービス全体のリニューアル後、1件あたり1時間を超えることもあった対応時間はどのように変化したのだろうか。Withdesk Browse 導入後の成果について、N. M. 氏と T. T. 氏に伺った。

「ウェブ操作に関するお問い合わせは、平均して10〜20分は短縮されたと感じています。時間の短縮によって、より多くのお客さまをご案内できるようになっただけでなく、お客さまのお困りごとを最後まで解決に導くことができるようになったことが、最も大きな成果だと感じています。以前であれば、10件中6件ほどしか解決までお手伝いできませんでしたが、Withdesk Browse の導入後は10件中9件まで解決できるようになりました。

もう1つの成果にオペレーターのスキル向上があると感じています。以前の問い合わせ対応では、手元にダミーの会員サイトを開きながらお客さまにご案内していたのですが、お客さまのデバイスやブラウザの環境によって画面のレイアウトは少しずつ異なってきます。Withdesk Browse を通してさまざまなパターンの画面を知ることができ、より一層自社の会員サイトへの理解を深めることができるようになったのです。また、それらの学びはオペレーター間でも情報共有することで、コンタクトセンター全体のスキル向上にもつなげています」(N. M. 氏)

「Withdesk Browse の導入で、1つ印象的なエピソードがあります。とあるご高齢のお客さまはウェブ操作に慣れておらず、クリックに対して恐怖心があるようでなかなか先に進まない状態でした。そこで画面共有でご案内したところ、『年齢的に諦めようと思っていましたが、相談して良かった。これで今後もカードを使うことができます』とお言葉をいただけたのです。

急速に進むデジタル化に取り残されそうになった方を、Withdesk Browse でサポートできて本当によかったと感じています」(T. T. 氏)

コンタクトセンターが掲げる「声から『伝わる』おもてなしの心」をデジタル上でより強化

2021年1月のサービスリニューアルを機に、デジタル活用を進める同社では、新しいポイントサービス QIRAポイントをより積極的に展開していくとともに、コンタクトセンターの業務効率化にも取り組んでいくことを計画している。取材の最後に、同社の今後の展望についてお話を伺った。

「会社全体として、QIRAポイントの認知度を向上させていかねばと考えています。

 QIRAポイントはさまざまな商品との交換や、提携先各社のポイントへ移行できるほか、ポイントを貯めることで各種イベントや特別な体験をすることができる点も魅力です。この魅力をより多くのお客さまに実感していただくため、今後もウェブへの登録まで丁寧にフォローしていきたいと考えています。また、お客さまの課題やお悩みを解決するだけでなく、より便利な活用方法など、プラスアルファのご案内まで目指したいですね。

今回の Withdesk Browse の導入によって、コンタクトセンターが掲げている「声から『伝わる』おもてなしの心」をデジタル上でより強化できました。ウェブ操作に関しては、声だけではどうしても伝えきることができなかったものが、ツールによって目に見える形で丁寧にご案内できるようになったことは、大きな成果だと考えています」(N. M. 氏)

※掲載内容は取材当時のものです。

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